沖南 道場
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「何を話しておるのだ?」「あら、悠斗。丁度良いところに。今、幸一に昔話をしてたのよ。」「…私が幼名だった頃か」「そうそう。懐かしいわねぇ。」昔を懐かしむようにふわりと笑う。はじめて見た悠師匠の笑顔。なんだか、あったかいなと思った。「乾杯するか。」「そうね。」とても暖かい雰囲気で。私の居る場所なんて無いように感じた家で常に感じていた感覚は寂しさだったのだと今はっきり感じた。何処に行っても、私は一人なのだと。「日本酒を」「私はモスコミュール」「かしこまりました。」従業員が注文を厨房に伝えに行こうとする。「あ、ちょっと待った。幸一は?」「…おい。」 「え?」 「私も注文して良いんですか…?」「何を馬鹿な事を言っておる。早く注文しろ。」「はい。」「返事は良いから。」「…」ちらりとメニューに目をやる。注文はもう決まっていた。「ソフトドリンクのオレンジジュースで。」
2009年02月19日
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