真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2005年06月27日
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以下で述べることは、それぞれの時代の遺跡巡りなどを経て実感したことである。
例題も挙げるが、あくまでも私なりの解釈なので、普遍性があるとは限らない。それもひとつの捉え方ということで、お付き合いくだされば嬉しい。

結論を最初に言うと、縄文時代=垂直軸・弥生時代=東西軸・古墳時代=南北軸の3種類の方向性が観えてきたということである。

この捉え方は、私なりに真理探究の手がかりとしてきた立体幾何学的な発想法、つまり立体の基本である縦・横・高さという「3次元的発想」が基盤となっている。

それぞれの時代の方向性の実感には順序があったようで、縦(南北軸)・横(東西軸)・高さ(垂直軸)の順序で、じわじわと体に響いてきたという感じである。

まず縦の南北軸だが、これは中国思想が日本に伝来した北辰信仰(北極星と北斗七星を信仰の対象とする星神信仰)に関係している。現在の有名な神社のほとんどの祭祀空間の方向性が、南北軸を主軸としている。南側にある鳥居から参道に入り、
普通は境内の北側に鎮座する社殿に向かって歩いていき、神前で参拝するという空間設定である。

つまり、南北軸を主軸とした神社参拝の対象は、社殿に祭られているご神体にお参りすることであり、その信仰の対象の究極は、北極星(地球の自転軸の極北方向)ということになるわけである。


壬申の乱で勝利した大海皇子(後の天武天皇)側の武力の背景には、唐・新羅連合軍がいたとされているからだ。つまり、天武天皇の時代から、中国の唐から伝来した思想信仰で強く彩られたことが予想されるからである。

現在の伊勢神宮のたたずまいは、天武・持統天皇の時代に、その原型としての祭祀空間が設営されたことがうかがえる。(明治維新後の屈折はあったにせよ)
現在の伊勢外宮は、表が月で裏は北斗七星、そして伊勢内宮は、表が太陽で裏は北極星とする真祭神の設定は、すでに先達の研究者が詳しく調べて公表している。
(20年毎に行われる式年遷宮は、持統天皇の治世から始まったとされている。)

ところが、実際に現地近辺を歩いたり資料収集をしていると、いろいろなことが観えてくる。現在の伊勢神宮の大本は、現在地より北方にある「斎宮(さいくう)」にかつては社殿があり、東方の海上に浮かぶ「神島」と東西軸の祭祀線で結ばれていたという興味深い話がある。東西軸は、太陽信仰の祭祀線であり、この斎宮と神島を結ぶ東西軸は、研究者の間では「太陽の道」とされる北緯34度32分という軸線上に重なるのである。

話は次第に「横の東西軸」に移行してきたが、ここでまた面白い話がある。かねてより、「沖縄と伊勢は何らかの縁で結ばれている」という私なりの直観があった。
かつて10年以上前に一度だけ沖縄に行ったことがあり、その時に沖縄の「神島」たる「久高島(くだかじま)」に行くことができた。

沖縄本土の最も有名な祭祀場である「斎場御嶽(セーファウタキ)」と「久高島」とは、東西軸で結ばれており、その御嶽から東方の久高島を遥拝できる祭祀空間となっている。おそらく、東西軸を祭祀の方向性の主軸とする背景には、春分(秋分)の日に真東から昇る日の出の光芒を信仰の対象としていたからであろう。
世界レベルでみても、古代は、春分の日を年始とする地域も多かったようである。

以上の類推から、年に一度のニライカナイを迎える時とその正体とは、「春分の朝日の光芒」ではないかと考えるわけである。ちなみに、この御嶽からほぼ真東は、久高島の東北端にある聖地カベールの岩倉を貫通する配置となっており、毎年の春分の光芒を期待する祭祀の時空が、沖縄のなかでも最高の祭祀場に、太陽信仰の東西軸として、往古よりしつらえてあったと観ることができる。

以上の観点から、伊勢神宮の大本の祭祀空間である「斎宮」と「神島」を結ぶ東西軸は、太陽信仰の軸線であり、その祭祀を伊勢にもたらしたのは、沖縄の海人(海洋系の黒潮の民)であり、沖縄の同様の祭祀空間がそれを暗示していると考える。



日本各地の古い神社にお参りすると、参道を東西軸にしつらえてある祭祀空間の神社もたくさんある。東から昇る太陽を寿ぐ祭祀や、西に沈む夕日を寿ぐ祭祀など。
ちなみに、出雲大社をはじめとする出雲地域の神殿は、参拝者は北に向かって参拝するかたちになっているが、社殿のなかにあるご神体は、南の参拝者の方位ではなく、なぜか西の方位を向いているということである。

出雲大社の西方は海であり、西の海に映る夕日の輝きが信仰の対象になったと考えてみるのも面白い。伊勢は、東方の海から昇る朝日が神々しかったのでは・・・。

太陽祭祀には、夏至や冬至の祭りもあるが、総じて太陽は東から昇って西に沈むわけであり、東西軸が太陽信仰の方位軸であり、春分(や秋分)の真東から昇り真西に沈む太陽を、年内の一番の祭祀日と定めていた時代があったと考える。


そして縄文の垂直軸については、次回のお楽しみにして・・・。


























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最終更新日  2005年06月27日 14時30分05秒


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