真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2007年03月16日
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この「黄金」の精製に欠かせないのが「水銀」である。

今日の画像は、その水銀の材料になる鉱物の「辰砂(しんしゃ・硫化水銀)」を映した写真。

(産出地は、古代から国内の辰砂の主要産地だった奈良県宇陀郡菟田野町。特に宇陀産の辰砂は良質だったとのことである。)

精製の方法は、まず金を含んでいる泥に水銀を混ぜてアマルガム(水銀と他の金属の化合物)を生成させて金を抽出。そして、加熱によって水銀を蒸発させると、高純度の「黄金」が得られるとのことだ。

同様の方法で、鍍金(金メッキ)も行うことができ、あの「奈良の大仏」は、金アマルガムを利用して金メッキが施されたとのこと。その結果、大仏造営の鍍金作業に携わった多くの人々が、有機水銀による水銀中毒(今でいう水俣病)にかかり、当時の都であった平城京の遷都を余儀なくされる事態を招いたということである。

それはともかく、当時の金メッキの「奈良の大仏」を仕上げるには、「水銀(辰砂)」の主要産地としては奈良県~和歌山県一帯、そして「金(砂金)」の主要産地としては北上川流域(有名なところでは、宮城県涌谷町の「黄金山神社」の地域一帯など)から採取・採掘される、それぞれの原材料が必要とされたわけである。

そこで私なりに思うのは(「黄金」の精製に「水銀」が必要とされる点を含めて)、特に「金」の産出量の多い北上川の流域に祀られる「瀬織津姫」の性格に、「水」や「水銀」に加えて「金」の要素を感じるのである。

前述した、奈良の大仏造営における中毒問題の反省から、それまでの金属(銅)製の仏像を作ることは廃止され、その後の仏像は「木造」に「金箔」を貼って作ることになったそうだ。



同様の運命を辿った女神に「丹生都姫(にゅうつひめ)」がいる。この女神は「丹生」という言葉が示すように「辰砂」、つまり「水銀」の女神としての性格が読み取れ、この女神を祭る神社は「辰砂」を多く産出する和歌山県や奈良県に多いとされる。

この女神も、ある時期(平城京遷都あたりからであろう)から「水神」としての性質が「水銀」よりも強く表に出るようになり、あるいはそのように意図的に方向付けられて、次第にその神名が伏せられていった経緯があるようだ。


「水銀」が採れる奈良~和歌山一帯には「丹生都姫」を、「金」が採れる北上川流域には「瀬織津姫」を、それぞれ祀る神社がここかしこで、その古きたたずまいを今に伝え、「水神系」あるいは「地母神系」の女神達の復活というかたちで、「よみがえり」の時を迎えたようだ。

そこで何故か私は、その女神達の「よみがえり」の息吹に巻き込まれるかのように、昨年の秋からは「丹生都姫」の流れで動き動かされ、そして今年の春からは「瀬織津姫」の流れで動き動かされつつあるような・・・そんな気配を感じる今日この頃である。






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最終更新日  2007年03月17日 05時48分19秒


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