私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

August 1, 2008
XML

 左の大臣には、北の方でいらっしゃいます帝の御妹宮腹に、「ただ一人、かしづき給ふ」たいせつにかしづいていらっしゃる姫宮がお一人おいででした。

 この姫宮には春宮からも入内のご希望がおありだったのですが、はかばかしいお返事もなさらなかったのは、源氏の君のご元服の添い臥しに、との父・左大臣の腹積もりがあったからでした。

 源氏の君が「十二にて御元服したまふ」「その夜、大臣の御里に、源氏の君まかでさせ給ふ。作法、世に珍しきまで、もてかしづき聞えたまへり。」

左大臣は「我が願い叶ったり」とばかりに、源氏の君を婿君として、世に珍しいまでご立派なお作法をもって、大切にお迎えになります。

ところが、

 「女君は、すこし過ぐし給へる程に、いと若うおはすれば、似げなく恥づかしとおぼいたり」

 ここを、歴代の訳者は次のように表現しています。

谷崎源氏  「女君はまた、御自分が少し年嵩でいらっしゃるのに、婿君がひどくお若いので、不似合いで恥かしくお感じになるのでした。」

与謝野源氏  「姫君のほうが少し年上であったから、年下の少年に配されたことを、不似合いに恥ずかしいことに思っていた。」

瀬戸内源氏  「女君は、源氏の君より少し年嵩でいらっしゃるのに、婿君があまりに若々しいのが、御自分と不似合いで恥ずかしく、気が引けるようにお感じになります。」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 9, 2017 07:52:12 PM
[源氏物語の女性たち] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: