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私は中学・高校を、女子高で過ごしました。そのせいでしょうか、源氏物語に登場する女人たちのことを一人ひとり書いていくとき、なぜか「クラス会」に出席しているような気持ちになることがあります。
もちろんクラスメイトの友を、明石の上や六条御息所などの個性にスライドさせるというのではありません。
なんと言ったらいいでしょうか、あたかも私が物語のなかに入り込んで、紫の上や葵の上の密やかな打ち明け話を、ため息混じりに聞いているような、不思議な感覚に陥るのです。
それが傲慢といわれるなら、そうかもしれません。しかし私には、彼女たちが千年前に生きた女性たちではなく、思春期を同じ教室で過ごし、英文解釈に頭をひねり、額を寄せ合って物理の問題を解いたクラスメイトであって、その友が久々に集い、自分の越し方を話しているような、そんな身近な気持ちになるのです。
なぜそう感じるのかわかりませんが、私はそんな気持ちになるのです。
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