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柏木が朱雀院の二番目の女宮・落葉宮を正妻となさったのは、恋しい女三宮の姉宮でいらっしゃるからでした。
落葉宮は「下らふの更衣腹にておはしましければ」身分の低い更衣を母としていらっしゃるので、柏木にとっては「心やすきかたまじりて」軽く見るようなお心もおありのようです。お人柄は普通の人より優れてはいらっしゃるのですが、女三宮への想いを遂げられないための形代でしたから、どうしてもうとうとしいお扱いになってしまいます。
柏木は女三宮が懐妊された時、送った文によって柏木との不義の子であることを源氏に知られてしまい、宴席で源氏からあてつけがましい扱いを受け、自身も罪悪感に苛まれて、病の床に就いてしまいました。
右衛門督は「やがて、いといたく患ひ給ふ」ひどくお患いなさって、一向に良くならないのを、ご両親が「いと、おぼつかなし」落葉宮邸にこのまま置いておくのは心配と、自邸にお移しして看護なさることにしました。
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夫からの愛情が薄いだけでなく、夫の両親からも信頼されていない落葉宮の哀しみ嘆きは、いかばかりだったことでしょう。