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「平家物語」の中でも悲しく印象的なのは、木曽義仲と彼の最愛の女性・ともゑとの別れの場面です。
「木曽殿は信濃より、ともゑ・山吹とて二人の美女を具せられたり。中にも ともゑはいろしろく髪ながく、容顔まことにすぐれたり。」
木曽義仲は信濃を出るとき、「ともゑ」と「山吹」という、二人の美女を伴って合戦に参加していました。
中でもともゑは、色白で髪は長く、たいへんうつくしい女性でした。その上、男性でも力の要る剛弓を引き、馬に乗っていようと徒歩であろうと、刀剣を持ってさえいれば「鬼にも神にもあふどいふ一人当千の兵(つはもの)也」鬼にでも神にでも立ち向かって行くという一騎当千のつわもので、「度々の高名、肩をならぶるものなし」という、頼もしい女性でした。
されば今度(このたび)も、おほくのものども落ちゆき打たれける中に、七騎が内までともゑは打たざれけり。
そんな強いともゑですから、この戦で多くの兵士が落ち延びたり討ち死にして、主従七騎になってしまっても、まだ打たれることなく無事で、夫・義仲の傍におりました。
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