私訳・源氏物語

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佐久耶此花4989

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January 9, 2009
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カテゴリ: エッセイ

 効果はてきめん、翌日から再び平穏な朝が戻ってきました。

 けれどこれは「臭いモノに蓋」的な応急措置であって、原因は依然として不明なままです。それが私を、不安で落ち着かない気持ちにしていました。

 そこで私は思い切って、その回転する棚にあるものを全部出し、中を確認することにしました。

 キッチンに這いつくばって、先ずは床の拭き掃除をしていると、のっしのっしと猫がやってきました。シンクと反対側の調理台に飛び乗って、上から私の作業を眺めています。

 やがて棚を回しながら中の小麦粉やてんぷら粉、ビーフンやらパスタなどを拭いた床に出し始めると、猫は「ずしん!」と降りて来て、棚の中を興味津々覗きこもうとし、樽型のからだで私の手元を遮ります。

 「そうだ、くろちゃん。あんた中に入って見てきてちょうだい。ねずみがいたら、やっつけておいで!」

 でっぷりと肥えたお尻を押さえて無理やり押し込もうとすると、猫は嫌がって尻ごみし、前足をぐんと突っ張って、まるで鉛でも入っているように全体重をお尻にかけ、入ろうとしません。

 私は仕方なく、懐中電灯を片手に恐る恐る中を覗いてみるのですが、「ねずみの穴」など、ホーローの調理台には見当たるはずがありません。






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最終更新日  March 21, 2017 05:30:59 PM
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