私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

April 14, 2009
XML

  夕顔という女性は、自分から男性である源氏を誘っていて、しかも「さすがに、うちとけぬさま」源氏をじらすところには、恋に馴れた手練れのようなものを感じさせます。

 「いと、あいだれたり」という言葉には、どこかだらしなく甘えている様子を連想させ、いかにも「安物」の雰囲気があって、私には好きになれない女性の一人です。

 もちろん女性から男性へ、積極的に声をかけることが不快なのではありません。しかし例えば

「わがもてなし・ありさまは、いと、あてはかに、児(ご)めかしくて、又なくらうがはしき」とあるように、いかにも自分が上品で子供っぽいようなふりをする、その態度に不快感を覚えるのです。

 それは今風にいえば、舌足らずの甘えた口調で話し、嬌声をあげるような下品なものを感じさせ、六条御息所の口を通して語られる「ことなる事なき人」歌詠みの才能もなく、何のとりえもない人であることに、私も共感してしまいます。

 作者は夕顔を、思慮深く重々しさが欠け、もう少し気取ったところがあったらいいのに、そしてまた夕顔のどこに心が惹かれるのかが分からないなどと源氏に言わせていますが、そんな蓮っ葉な夕顔だからこそ、生霊となった六条御息所の登場やせりふにも説得力が増すのかもしれません。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 21, 2017 05:38:43 PM
[源氏物語の女性たち] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: