私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

April 15, 2009
XML
 夕顔の露と消えた女に先立たれたお悲しみを、源氏の君は年月がたっても忘れることがおできになりませんでした。

 もちろん、葵の上や六条御息所といった女人がおいででしたが、「こゝもかしこも」気が置ける人ばかり。気取ったふうで用心深くいらっしゃるものですから、親しみやすく、人懐こかった夕顔の可愛さを自然なつかしく思い出されるのでした。

「いかで、ことごとしきおぼえはなく、いとらうたげならむ人の、つゝましきことなからん、見つけてしがな」

どうかしてあの夕顔のように軽い身分で、しかも可愛らしい女を見つけたいものだ、と性懲りもなく思っていらっしゃるのでした。

 そんな折源氏の君は、内裏に伺候する大輔(たいふ)の命婦(みょうぶ)という若い女房から、

「故常陸宮の親王の、末にまうけて、いみじうかしづき給ひし御むすめ、心細くて残り居たるを、物のついでに、語り聞えければ『あはれのことや』とて、御心とゞめて、問ひ聞き給ふ」

亡き常陸宮さまの末にお生まれになられた姫宮さまを、たいそう大切にかしづいていらしったのですが、父宮亡き後は心細そうにいらっしゃることを、何かのついでにお聞きになりまして、「なんと、お気の毒な・・・」と、その末摘花の姫宮に心が惹かれるのでした。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 21, 2017 05:45:44 PM
[源氏物語の女性たち] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: