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とにかく印鑑、通帳、証書などの重要書類を次々に紛失するので、どこから手をつけたらいいものか、本人が分からないのです。
そのため私がすべてを預かって代行するのですが、なにしろ最近では個人情報保護の名目のために、いちいち個人を確認するための手続きやら証明やらが求められるので、私はそれに振り回されているというわけです。
母は私に任せっきりでのんびりしたものですが、高齢の母を長時間待たせることも、またあっちこっち引き回すこともできないので、私は健康保険課と印鑑証明の順番とを見ながら、区役所のフロアを人の間を縫ってちょろちょろと、ネズミのように走りまわることになります。
さて、区役所の後は郵便局です。私の簡易保険の一時金が出たらしいのですが、それを掛けた本人である母が、数か月たってもまだ受け取っていないのでした。
やれやれ、なんとか相応の現金を手にはしたものの、その後「売却資産」に対する母の税金と固定資産税、自動車税を払ってしまうと手元には残るどころか、2万円の支出となってしまいました。
「くたびれた・・・」と、欠伸する母を「終わったら、おいしいケーキを食べに行こうね」とあやしながら、私は母の保護者のような気分になるのでした。