私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

February 16, 2010
XML
カテゴリ: 源氏物語つれづれ

やっと「帚木」の巻を終えることができました。

有名な「雨夜の品定め」は、
女性の作者が異性の立場から同性を批評するところに、皮肉な面白さがありました。

愛情があるわけでもないのに、
いわば腐れ縁でずるずると一緒にいる男は誠実そうに見え、
相手の女も奥ゆかしく感じられるが、「いとゆかしきこともなしや」そんなことなどないね、
と言っているのには、「仮面夫婦」や少し前にCFで流れた「3メートルの思いやり」
が思い出されます。

「出家」を切り札にする女には、
相手の男に「妊娠」の責任と道義をつきつけて結婚を迫る現代女性
にも通じる傲慢で卑劣な心根を感じます。

同性としてはなかなか言えない「女のいやらしさ」を、
異性に言わせるところが心憎くもあり痛快でもありました。

後で紫の上が
「女ばかり、身をもてなすさまも、所せう、あはれなるべきものはなし
(女ほど自分の態度のとりかたが遠慮され、悲しく無念なものはない)」
http://www.infoseek.co.jp/SRedirect?svx=100600&qt=http%3A%2F%2Fplaza.rakuten.co.jp%2Fototachibana%2Fdiary%2F200810020000%2F&col=search&enc=utf-8

と、女の身を嘆く場面が出てきます。
左馬頭(さまのかみ)が男の立場から理想とした女を、
今度は女の立場でその内面を描いているのですが、そこにこそ女であることに甘えない、
知的な作者の懊悩があるように感じます。

「左馬頭」で思い出しましたが、彼が饒舌に女の話をしているところで
「ひゝらく(ひゝらぎ居たり)」という言葉が出てきます。

「ぺらぺらしゃべる」と訳しましたが、第一番目に「いななく」という意味があって、
そこには「馬」に掛けた言葉の面白さもあるのです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 7, 2017 07:42:25 PM
[源氏物語つれづれ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: