私訳・源氏物語

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February 26, 2010
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カテゴリ: 源氏物語

西の君も、何となく恥ずかしい心地で西の対に帰りました。

他にあの事を知っている人もありませんので、
小君の姿を見かけるにつけ、後朝の御文があるのではないかと期待するのですが、
一向にその気配もありません。

『ひどい仕打ち』と思う分別もありませんが、戯れ好きな心にはもの寂しいようなのです。

 薄情な人も気持ちを抑えてはいるのですが、
浅くはない源氏の君の御心を思い出しては
『一人身の頃の私であったならば、どんなによかったものを』
と、取り返すことはできないのですが、無念に思わずにはいられません。

それで畳紙の隅のほうに、こんな歌を書きましたとやら。

空蝉の 羽にをく露の 木がくれて 忍びしのびに 濡るゝ袖かな

(空蝉の薄い羽に置かれた露。木に隠れたその露のように、
私の袖は人目を忍ぶ涙に濡れています)






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最終更新日  March 7, 2017 07:33:43 PM
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