架空世界の放浪者ランドの「冒険日記」

2005/06/29
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カテゴリ: 大航海時代
私は軍人だ。何度も書いているが、いまだに誤解している人もいる。
冒険・交易・戦闘のレベルのうち、戦闘レベルが突出して高いこともその証明になるだろう。

ただ、少しでも戦闘にかかる費用を抑えるために、調理の技術を身につけ、食料品取引の技術を身につけ、高ランクの料理を作りやすくするために、工芸の能力を身につけ、香辛料取引の技術を身につけ、その過程で香料取引の技術を身につけ・・・・。
また、単に移動するだけではもったいないので、学問を一つだけ身につけ、冒険の依頼も受けている。
もう一度書いておく。私は軍人だ。

今まで、身につけた学問は、地理学、生物学、美術の3つだ。大体、ランク6ぐらいまでやって、その学問を忘れることにしている。そうでないと、能力の枠が足らなくなるからだ。
今まで、発見した数は、すでに300を越える。商会の専業冒険者にはとても及ばないが、発見数では商会の中で上位に居るだろう。

そして、今は・・・また地理学を覚えている。なぜなら以前覚えたときには、やっとインドにいけた頃で、ほとんど発見らしい発見をせずに忘れてしまったからだ。

「トリスタンの剣が貰える依頼がきた~誰か、一緒にやりたい人います?」

「おお。いきたい~」
「ほしい~」
私と、あんにゅいが、その呼びかけに答えた。

しかし・・・私はその頃、地理学の依頼で、カリブ方面に行っていた。カリブからロンドンだとどれだけ急いでも40日はかかる。残念ながら、依頼を受けることを諦めた。
数日前から始めた地理学だが、すでに地中海方面、北海方面、そしてカリブ方面の依頼は9割以上こなした。後は、アフリカ、インド方面だ。
かたやあんにゅいは・・・インドのディブで裁縫をしているとの事だった。これでは、せっかくぱんぷぅが誘ってくれたのに誰もいけない。もったいないことだが、仕方ない。

私がカリブのジャマイカから北北西に15日ほど行った所にあるハドソン川を無事に発見し、リスボンに戻ってきたときに、またぱんぷぅから連絡が入った。
「ランドさん、ロンドン来ます?」
「え?なにかいいの見つけた?」私は、ぱんぷぅに尋ねた。
「いや、さっきのトリスタンの依頼、まだやらずに持っていたんですよ。」ぱんぷぅは言った。
「えっ!!待っててくれたの?ありがとう~今すぐいくよ」


ぱんぷぅは、普段は口数が少ないが、こういうさりげなくチョコっと人の心を掴むことに優れている。また、新入会員が入ったときも、率先して一緒に艦隊を組み、この世界の過ごし方を教えたりしてくれている。面倒見のいいヤツだ。
彼のような商会員がいるから、私は安心して、他の商会との外交や、新入会員の募集に力を入れられるのだ。

「ロンドンに着いたよ。」
「じゃあ、広場に」
そうして、私はぱんぷぅの艦隊に入った。

ぱんぷぅが聞いてきた。というのは、依頼の中には「希少な依頼」というのがあるのだ。特に珍しい発見物には、航海者1人に付き生涯に1度しか紹介してくれないのだ。実は、私は以前、アーリンと共にこの依頼を受けて「トリスタンの剣」を手に入れたことがあったのだ。

「よう、なにか仕事を探しているのかい?」
ロンドンの広場にいる冒険依頼仲介人が言った。
「え~っと・・・この“トリスタンとイゾルデ”という依頼をやりたいのですが」
私は、仲介人に言った。
「ほう。これは、劇作家のシェークスピア氏から依頼だよ。いま構想中の劇のために、あることを調べてほしいそうだ。くわしくは本人に聞いてみてくれ」
仲介人はそういうと、私にこの仕事を依頼してくれた。

「やったね。受けれたよ。」
私はぱんぷぅに言った。
「おお。よかった。じゃあ、ランドさんよろしく・・・」
ぱんぷぅは言った。
「え?ぱんぷぅさんが案内してくれるのでは?」
普段、私とぱんぷぅが艦隊を組んで行動するとき、海事依頼なら私が提督を、冒険依頼ならぱんぷぅが提督をやるのが暗黙の了解になっていた。そのため、今回もぱんぷぅに追従したのだが・・・。
「ランドさん、前にこの依頼受けたことあるんでしょ。だから、よろしく~」
と、それだけ言うと、ぱんぷぅは私の後についてきた。

この“トリスタンとイゾルデ”という依頼は、ロンドンの街中だけで終わる。私は最初、依頼人のシェークスピアに会うために、彼の家を訪ねた。
シェークスピアから依頼の内容を聞き、彼のために街中で聞き込みをすることに。もう、誰に話しを聴けばいいのかわかっている私は、すぐにシェークスピアの依頼を達成することができた。
その後、ぱんぷぅと共に、シェークスピアからの次の依頼“死を望んで命は残り”と、その次の依頼“愛ゆえに死す”を次々とこなした。

しかし、“愛ゆえに死す”を終えてからしばらく、次の依頼が来なくなった。私とぱんぷぅは何度か依頼仲介人を往復する。ここまで、すんなり来すぎただけだろうか・・・3度目、4度目・・・そして、ようやく次の依頼“トリスタンの剣”の依頼が、仲介人のリストに並んだ。

「あんた、前に、シェークスピアさんから頼まれて「トリスタンとイゾルデ」について調べてたよな?そのことか知らねえが、シェークスピアさんから話があるそうだぜ」
仲介人が言う。
「やっと来たね。」
そういうと、ぱんぷぅは仲介人から“トリスタンの剣”の依頼を受ける。
「うんうん。粘ったかいがあったもんだ」
そういうと私は仲介人のところに行き、“トリスタンの剣”の依頼を受けようとした。
「おっと、ランド・フォックスさん。あんた、この依頼、前に受けたことあるだろう。これは、希少な依頼でねぇ。もう、あんたには紹介できないんだ」
冒険依頼仲介人はそういうと、さっさと“トリスタンの剣”の依頼をリストから消してしまった。
「え・・・・。ここまで、やっておいて・・・・」
私は、しばらく呆然となった。まさか、ここまでシェークスピアの依頼を達成しておいて。
「え・・・・今まで、鎧とか、史跡は希少クエは見たことあるけど・・・剣は・・・」
ぱんぷぅも言葉にならないようだった。

私とぱんぷぅは、2人して無言でロンドン広場の冒険依頼仲介人の元から離れた。なんともやるせない気分だ。
私は、気分を紛らわせるために、荷物をゴソゴソいじっていた。と、なにか身に覚えの無いものが手に触れた。手の中にすっぽり納まるカードだ。ふと思いだした、今日からこの世界にもたらされた「ポーカー」というギャンブルのカードだ。
私は、気分転換にはこれしかない!と思い、さっそくその場で「ポーカー」を始めることにした。

1回戦目、レイズやコールの方法がよくわからないまま、私の勝利。
2回戦目、手が出来ていなかったが、ブラフを掛けて・・・失敗。ぱんぷぅの勝利。
3回戦目、ショボイ手しか出来上がっていなかったが、もう一度ブラフでぱんぷぅを下ろさせようと、最高額のレイズをする・・・失敗。ぱんぷぅの勝利。
ついてない日は、トコトンついてない。明日は、倍額を奪い取ってやる!

しかし・・・今日も海事依頼を1つもやってない、1隻の船も沈めていない・・・






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最終更新日  2005/06/30 11:32:14 AM
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