Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/09/09
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カテゴリ: ピアノ&ギター
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 今でこそ、ピアノ(またはキーボード)で弾き語りする日本人歌手って、珍しくはないが、1970年代始めまではほとんどいなかった。

 海外では50~60年代から、ポール・アンカ、リトル・リチャード、キャロル・キングら弾き語り歌手がいた。ひこうき雲70年代に入ると、エルトン・ジョンやビリー・ジョエルら本格的なピアノ弾き歌手が登場した(もちろん、ビートルズのポールはそれ以前からピアノで弾き語りしていたが…)。

 日本のポップ・ミュージック界初のピアノ弾き語り歌手って、誰だろうか? すぐには浮かんでこない…。しばらく考えてみたら、女性なら荒井(松任谷)由実、男性なら小田和正(オフコース時代だが)かなという結論になった。この2人以前に、もしいてたら、誰か教えてください。

 ユーミンは今、ステージではピアノの弾き語りをほとんどしないが、デビュー(1972年)したての頃は、半分以上は、ピアノの前に座って歌っていた( 写真左上 =デビュー・アルバムの「ひこうき雲」=1973年)。ミスリム

 僕は、まだ荒井由実時代のユーミンを、大阪・天王寺野外音楽堂で聴いた。2枚目のアルバム「ミスリム」(1974年= 写真右 )を出した直後で、「瞳を閉じて」「私のフランソワーズ」など「ミスリム」からの曲が中心だったが、「ひこうき雲」も歌ってくれた。

 ユーミンの歌は当時はおせじにも、上手いとは言えなかった(時々、高音で音をはずしていた)が、最近のライブを聴くとだいぶん上手くなったみたい…(長いキャリアを考えたら、当たり前かな?)。

 その後、長いキャリアの中で、数多くのアルバムを出し、多様な音楽のスタイルを追求してきたユーミンだが、僕は「ひこうき雲」「ミスリム」「コバルト・アワー」という、デビュー・アルバムから続く3作の頃が一番好きだ。歌も曲も演奏も、素直でピュアな感じが一番よく出ている気がする。

 僕は当時、「私のフランソワーズ」や「ひこうき雲」「生まれた街で」などのコピーをよく練習した。ユーミンの歌は、本人に似合わず(失礼!)、意外と音域の広い歌が多く、男である僕には結構難しかった。昨晩お会いしましょう「ひこうき雲」の2番のサビの部分など、僕は声がひっくり返ってしまう( 写真左 =中期のアルバムで、僕が最高傑作だと思っているのがこの「昨晩お会いしましょう」)。

 以前の日記( 2004年12月16日 )で、「ピアノの弾き語りは、まず、Let It Beから始めた」と書いたが、邦楽で、弾き語りの手段としてピアノを意識し始めたのは、ユーミンと出会ってからだと思う。そういう意味で、先駆者としての彼女に、僕はいつも感謝している。

 ユーミンはご存じのように作詞、作曲も自分でこなした。そして何よりも、マイナー・セブンスやメジャー・セブンスを多用したコード進行が、それまでの邦楽にはほとんど見られない、とても斬新なものだった。「呉田軽穂」の名前で松田聖子に提供した数々の大ヒット曲も、それまでの歌謡曲にない、とてもおしゃれな曲だった。Face’s

 ユーミンがデビューした頃、「一発屋」で終わると予測した評論家もいた。しかし、この浮き沈みの激しいポップ・ミュージックの世界で、33年もほぼトップの位置を守り続けられたのは、やはり、曲づくりの才能や、詩にみられるようなすばらしい感性があってのことだろう。

 最近は、出すアルバムが昔のようなミリオン・セラーにならず、マンネリ感も指摘されるユーミン。だが、作曲家としての才能には誰でもピークはある。50代に突入した今、20代の頃のままの感性を、彼女に要求するのは酷なことだろう( 写真右上 =2003年には、他の歌手に提供した曲などをカバーしたアルバムを出し、話題になった。「瞳はダイヤモンド」がいいです!)。

 同世代でもある僕自身は、ユーミンにいつまでも息長く、60代、70代になっても歌い続けてほしいと心から願っている。70歳のユーミンがどんな歌を歌っているかを、考えるだけでも楽しいではないか。






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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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