'80年暮れに発売したアルバム「Hi Infidelity(禁じられた夜)」は、翌年15週間チャートの1位を記録(年間チャートでも1位)。 アルバムからは「Keep On Living You」(全米1位)、「Take It On The Run」(同5位)、「In Your Letter(涙のレター)」(同20位)など、数々のシングルヒットが生まれた。 特に「In Your Letter」は、日本のラジオでもよく流れたという。
その後、安易な二番煎じと酷評された「Good Trouble」('83年)を経て、REOはふたたび会心のヒットを放つ。それが「Can't Fight This Feeling(邦題『涙のフィーリング』)」だった。 13枚目のアルバム「Wheels Are Turnin'」(上写真)に収録。 作者は「Keep On Loving You」同様、ヴォーカル担当のケヴィン・クローニンである。 他のメンバー言うところの「ばかげたバラード」であるこの曲は、'85年に三週連続全米1位
うーむ、まさしく産業ロック(←誉め言葉)。 ツボをおさえたギター・ソロといい、起承転結のくっきりした構成といい、ヒット曲のお手本のような作りだ。 同時期にヒットしていたフォリナーの「I Want To Know What Love Is」と並んで、80年代を代表するパワーロック・バラードと言えよう。 この曲はLive Aidでも演奏されたほか、日本でも「夜のヒットスタジオ」で披露されていた。
彼らの本質は、ストレートで男気あふれるロックン・ロールだと思うのだが、REOといったらこの曲や「Keep On Loving You」などを思い浮かべる人が多いだろう(実際、ヒット曲はバラードが圧倒的に多い)。 それもまたこのバンドの宿命か。 ちなみに僕が一番好きなREOの曲は、'78年に発表された「Roll With The Changes」だ。
また、彼らのヒット曲の邦題はこの曲の他にも「In Your Letter(涙のレター)」、「In My Dreams(涙のドリーム)」など、やたらと涙が多いのだが、そのエンギをかついでか'88年に発表された新曲「I Don't Wanna Lose You」には「涙のルーズ・ユー」なんていう冗談なのかマジなのか分からない邦題がついていた。 で、今年の2月に発売された新作の邦題は「涙の道標(みちしるべ)」だ。 おいおい演歌かよ、って。 そういえばバンド結成が'68年だから、REOの歴史も今年で40年になるんだなあ。。。
あれはバブル真っ盛りの頃だったか。 街角で「Can't Fight This Feeling」が流れてきた時、一緒に歩いていた女の子が涼しい声でこう言った。