クラフトワークというグループを形容するときによく使われる表現は"テクノ・ポップの父"である。 若い人向けに言うなら「Perfumeのおじいちゃん」といったトコロか? そしてそのイメージは、出世作にして全米第5位を記録した名曲「Autobahn」('74年)や、代表作とされるアルバム『Trans Europe Express』('77年)あたりから来ているものだろう。
反面、新しいものを作ったイノベイター、あるいは時代の先端を走ってきた者は、時代に追いつかれた時を境にして輝きを失っていく事が少なくない。 クラフトワークは悲しいかなその一例だったように思う。 '78年に発表された『The Man Machine』(上ジャケット)は、傑作の一枚であると共に彼らが"時代"に追いつかれる瞬間を記録した作品である。