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July 18, 2006
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カテゴリ: 今日もいい日だ



 初日の日曜日は午前10時頃に名古屋を出発し、中央道を使って一路小淵沢を目指しました。名古屋から小淵沢までは250キロ程ですから、まあ2時間半もあれば到着するかなと思いきや、途中、事故渋滞にはまって予定より一時間遅れ、午後1時半に小淵沢インターに到着。そしてここから少し長野県の方に戻る形で「富士見」へ向かいました。というのも、以前このブログでもご紹介した知人のKさんが、ここにログハウスの別荘をお持ちで、今回もこちらにお邪魔し、お昼をご馳走になることになっていたんです。

 さて、Kさんのログハウスに伺うと、もうすっかり昼食の準備が整っていました。今日のメインは手作りのベーコン! 実は今日の朝から別荘のお庭の燻製機で、大きな豚肉の固まりを燻製にして下さっていたんです。いやー、桜のチップで燻した自家製ベーコンのうまいこと!!  まだほんのり暖かいベーコンをステーキのように大きく切って皿に盛り、これにマスタードをつけて食べさせていただいたのですが、こんなうまいベーコンは初めて食べました。塩加減もちょうど良くってね。作り方をお尋ねしましたが、2日ほど前から塩とハーブにつけ込む手間は必要ですが、後は燻製機に放り込んで数時間燻すだけで、程良く焼き上がるのだとか。これぞ別荘ライフの醍醐味ですね。そしてベーコンの付け合わせとしてズッキーニなどの焼き野菜、新鮮な高原野菜のサラダ2種、そして地元で採れる花豆の甘煮も出していただいたのですが、どれもおいしかった! ついついワインも進んでしまいます。

 ところで、前回、ちらっとお訪ねした時も少しだけお目に掛かったKさんのご主人ですが、今回はご一緒に食事をしながら、沢山お話を伺うことができました。この方は60代後半くらいのお歳で、今は名古屋の大学で物理学の教授をしておられます。

 で、そのご主人・K先生のお話というのがまた面白いんです。K先生のお父上様というのは満鉄のエンジニアだったのだそうで、そのためK先生ご自身もハルピンでお生まれになったのですが、やがて戦争が始まり、日本が敗け、ご一家は戦後7年間ほどソ連に抑留されてしまったというのですね。ですからK先生は小学校・中学校とロシアの学校で、それも帝政ロシア時代の貴族の末裔の通う白系ロシア人の学校で初等・中等教育を受けられたというのです。ですから今でも完璧にロシア語を話すことが出来、特に本を読む時はロシア語の方が楽なのだそうです。ちなみにK先生には妹さんがいらっしゃり、今でもロシア語通訳として活躍中とのこと。先日亡くなられた米原万里さんもお知り合いだったそうです。

 で、K先生がその温顔をにこにこさせながら「ソ連抑留時代に使った教科書、ご覧になりますか?」とおっしゃって下さったので、お言葉に甘えて見せていただきましたけど、凄かったですよ。ソ連の中学校の地理の教科書。何が凄いって、印刷のレベルが凄い。私も専門の関係上、同時代の英米の印刷物を見慣れていますけど、それと比べても何の遜色もないどころか、図版や写真の印刷レベルはそれ以上と言っていい。しかも印刷用の紙の質がきわめて上等で、戦争直後の時代にこれだけの質の紙がソ連にあったなんて嘘みたい。さすが白系ロシアの貴族の末裔が通う学校だけのことはあります。

 ま、それだけ当時のロシアは、特権階級と民衆の生活レベルの差が圧倒的だったのでしょうね。 

 しかし、じゃあ今のロシアはどうかというと、ソビエト時代が終わって民主主義が一応行き渡ったロシア連邦で、桁違いの資産を持って特権階級として君臨しているのは、ソビエト時代の共産党の幹部連なんですと。

 実際、ロシア革命というのは100年の時間をかけた壮大な陰謀であって、共産主義なんて理想は嘘っぱちもいいところ、最初から100年間のプランで特権階級の交代が行われたんだ、という説もあるんだそうです。「共産主義」という人類の大実験は、実は民衆をたぶらかす口実に過ぎなかったのであって、それはソビエト連邦の崩壊によって失敗に終わったのではなくて、プラン通りに進んで今日に至っているのだ、というわけ。



 ま、それはともかく、そんな面白いお話を穏やかな笑顔で聞かせて下さるK先生の魅力が素晴らしかったですよ。またお父上様の勤めていらした満鉄についても少しお話を伺いましたが、満鉄というのも面白い企業組織だったのだそうですね。組織内に右翼の人材も左翼の人材も居て、しかもそれを組織として許容するような、懐の深いベンチャー企業だったらしい。私は満鉄のことなんか全然知識がありませんけど、ちょっと調べてみたくなりましたねえ。

 で、そんな風で思春期の頃までロシアで育ったK先生は、昭和20年代末にようやく日本に帰ってきて、随分と苦労なさった挙げ句、今は大学で物理の教鞭を執られ、奥様は木の皮や蔓を使ってオリジナルの籠を作るアーティストとしてお仕事をなさっているというわけ。お二人は1年のうち夏冬の休みと週末、あわせて3分の1ほどの期間はこの別荘で過ごされるのだそうです。K先生に「こちらでもお仕事をされるのですか?」と尋ねたところ、「いやー、仕事はしません。仕事は名古屋で十分していますから」と、ニコニコしながらおっしゃっておられました。ま、八ヶ岳のご自宅にある自作の椅子や木工細工などを見ると、なるほど先生がこちらでどのように時間を過ごされているのか、何となく分かるような気がします。 

 そしてK先生ご夫妻のログハウスの素敵なこと!  スウェーデンから輸入して作られたログハウスとのことでしたが、長年使われたこの別荘には生活感があるにもかかわらず、それが決して生活「臭」にはなっておらず、むしろ居心地の良さにつながっているんです。またリビングにつながった広いテラスの気持ちのいいこと!  当日は雨が降っていたので、テラスで食事をすることは出来ませんでしたが、ここで朝食とかお昼、あるいは午後のお茶なんかとったら、さぞいい気分だろうなとつくづく思いました。

 あー、いいな! やっぱり、こういうところに住みたい!  K先生ご夫妻みたいな暮らしがしたい!     

 ・・・とすっかり憧れムードになった私たち夫婦、及び友人ご夫妻二組は、楽しいひとときの後、K先生ご夫妻に別れを告げ、次の目的地である「カナディアン・ファーム」に向かいました。先日、このブログでもご紹介した、廃材で25軒も家を建ててしまった「ハセヤン」こと長谷川豊さんの経営するファームです。

 ・・・が、もう随分長くなってしまいましたので、この続きはまた明日、ということにしましょうか。それでは、私の八ヶ岳ツアー報告は明日に続きます!    





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Last updated  July 18, 2006 07:00:08 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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