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August 5, 2006
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カテゴリ: 思わず納得!



あれ? 柳瀬尚紀って、数年前に翻訳不可能と言われたジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』を訳して話題になった人ですよねぇ。くそー、こんなところで小金を稼いでいたのか!

・・・まあ、それはともかく。

で、この本の著者が何を言っておるかと申しますと、要するに女性ってのは、常に誰か自分を扶養してくれる人、自分を引っ張って行ってくれる人を求める「依存体質」があるって言うんです。

子供の頃はまだいい、って言うんですね。子供の頃は女の子も男の子と同様、自分の可能性に対する夢を持てるわけ。成績だって、むしろ男の子よりいいし。しかしその時代っていうのは、結局(父)親の庇護下にあるわけですから、見かけは好き勝手にやっているようでも、実際には頼れる人の下で遊んでいるに過ぎないわけですよ。

ところが大学も出て、社会に出て、初めて給料もらって自由を得て、楽しい楽しいと言いながら数年が過ぎる頃には、もう女性は不安になってくるっていうわけ。「私、いつまでこうやっているのかしら、いつまで自分の生活を自分で支えていないといけないのかしら」っていう不安ですね。

で、これが出始めると、女性はもうおしまい。たとえ出世できるよって言われても、出世なんかより、もうさっさと結婚して、夫の庇護下に入りたいって思うようになっちゃうんです。もちろん、そこまで露骨に「結婚相手捜し」をしない人でも、自分の目の前に広がるぼんやりとした将来を、どうやって埋めていけばいいか分からなくなってしまうんですな。

そんな状態ですから、社会で働くことと、家庭に入ることの選択肢があれば、たいていの女性は後者を選んでしまう。アメリカでの様々な調査によれば、子供の時に優れたIQを示した女性の多くが、結局そういう形で家庭に入ってしまい、自らのキャリアを存分に伸ばしている人なんてほとんどいないんだそうです。

つまり、ウーマン・リブだ、フェミニズムだといって、苦労して「男女同権」を手に入れたとしても、女性の心の奥に根強い依存体質が、つまり「シンデレラ・コンプレックス」がある以上、せっかく勝ち得た権利ですら実際には行使できないんですよ、と、コレット・ダウニング女史はおっしゃるわけ。



それに、この本の文体もね・・・。たとえばこんな感じ・・・「『他者』を必要とし、『他者』に執着する気持ちは、ありとあらゆる点で、女の生産的能力を阻止する---独創性、熱意、傾倒を禁じるのだ。女の救いは他者への執着にあるという神話は、女が働くことを要求されることは決してないのだという暗黙の結果を孕んでいる。突如として働くことの必要に迫られたとき、多くの女は内心、激しい憤りに燃える。働かなくてはならないということは、なにかしら自分が女として失格した徴なのだ」・・・。直截的に畳みかけるような感じで、無駄がないのはいいけれど、遊びがないので息が詰まってしまう。差別的なことを言いますけど、こういう文章こそ、古い典型的なフェミニストの文章って感じがします。芸がないよ、芸が。

しかし・・・。しかし、ですね。私が思うに、この人の言っていることは、かなりの程度当たっている、というか、現代でも通じる話しじゃないかな、という気はするんです。確かに、女性の依存体質ってのは抜き難いところがあるな、と。

さて、ここで話はポーンと飛びます。

時々あるじゃないですか、軟禁される女性の話。つい最近も、大阪の方でどこかのマンションに数ヶ月も軟禁されていた女性が保護されましたよね。もっと前には、数ヶ月どころか、何年も軟禁されていた女の子がいました。

で、私、こういう報道がある度に、不思議な話だなーって思ってたんです。

つまりね、もし私が軟禁された女性と同じ立場だったら、うまく逃げるだろうなと思うんですよ。

だって今回の大阪の事件だって、たかだかマンションの入り口のドアに外側から鍵をかけられただけでしょ? なんでベランダから逃げないの? ベランダの仕切りってのは、破ろうと思えば簡単に破れるようになっているのだから、ベランダに出てどんどん隣に逃げればいいじゃん? あるいはベランダから外の通行人に助けを求めるとか・・・。それだけじゃなく、逃げ方なんて他にいくらでもあると思うんです。

それに今回の事件で被害者の女性は、メールで友人に「軟禁されて、会社にもお料理教室にも行けない」なんて連絡しているみたいですが、そんなことしている間に、警察に電話しろって話ですよね?

私、間違ってます?

ま、とにかく、こういう報道がある度に不思議だなー、何で逃げないのかなーって思っていたんですが、今回、『シンデレラ・コンプレックス』って本を読んでいて、ははーん、と思ったんですよね。ひょっとして、こういう軟禁事件の被害者の女性たちは、依存するものに事欠いて、とうとう犯人に依存しちゃったんじゃないか、と。自分自身の創意工夫で逃げ道を切り拓くより、犯人がいつか逃がしてくれるのを気長に待つ、みたいな感じ?

逆に言うと、「依存体質」のない男性は、理論的に軟禁できないわけですよ。自分でアクションを起して逃げようとするから。そう考えると、「自分だったら、逃げてみせるのに」という私自身の思いにも説明がつきます。






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Last updated  August 5, 2006 09:58:30 AM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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