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August 15, 2006
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ところで、コールドストーン・クリーマリーって、ご存じですか? もともとはアメリカのアイスクリーム屋さんで、冷たく冷やした石の台の上で、店員さんが客の注文に合わせて好みのアイスクリームを練り上げてくれるというシステムなんです。アイスクリームの種類も色々ですし、トッピングも色々あるので、たとえば、フレンチバニラ・アイスにストロベリーとオレオクッキーとホワイトチョコを混ぜて、と注文すれば、その通りに作ってくれるわけ。

で、客が自由に好みのアイスクリームを作れる、というところもそうですが、もう一つ、コールドストーンの「売り」は、店員がアイスクリームを捏ねながら歌い踊る、というところなんですね。ニューヨークの街角で、陽気な黒人の兄ちゃんが歌いかつステップを踏みながらアイスクリームを捏ねてくれたら、そりゃ人気も出るでしょう。というわけで、このアイスクリーム・チェーン、あっと言う間にアメリカ中に広まり、そしてその勢いに乗って、ついに日本にも上陸してきたという次第。今はまださほど店舗数はないと思いますが、きっとそのうち日本でもあちこちに支店ができるのではないでしょうか。

で、私もようやくそのコールドストーン・クリーマリーを体験したわけですよ。

ところが店に着いてみると、これがすごい人だかり。長蛇の列がトグロを巻いています。さすがにその列を見て少々たじろぎましたが、これを食べるために来たようなもんだと思い直し、列に並びましたよ。でも、私たちが並んだ後も列は長くなる一方で、大した人気です。

かくして30分程も待たされた挙げ句、ようやく私たちの番になり、私は「チーズケーキ・ファンタジー」というのを注文することに。これはチーズケーキ味のアイスクリームに苺とブルーベリー、それにグラハムクラッカーを混ぜて捏ねる、という奴ですが、目の前で店員のお姉さんがそれを作ってくれるわけですから、なかなか面白いものです。

で、そんなふうに数名の店員さんがそれぞれ客の注文に応じてアイスクリームを捏ねながら、誰かが合図を出すと、彼ら・彼女らが一斉に歌い出すわけ。ま、日本人の同胞に間近で歌い出されると、「楽しい」というよりは、むしろ「こっ恥ずかしい」という感じがして、直視できないところがありますが、ま、ディズニーランド的な雰囲気は出ていましたね。周りを見ると、小さい子供なんかはとても喜んでいました。

で、お味はと言いますと、はっきり言って、かなりうまい。「この次は、あれを食べよう」という気になるくらいのおいしさでした。

ちなみにお値段ですが、一番小さい奴をカップに入れてもらうと450円也。焼きたてのワッフルみたいなのに乗せてもらうと50円アップ。その他、大きさによって、あるいはトッピングの数によって値段は上昇していきます。割高って言えば、割高かなあ・・・。でも、おいしいことはおいしいので、損した気分にはなりません。話のたねにもなりますしね。



となると、あとは話題性ですよね。ただアイスクリームを客に差し出すのではなく、まずそこに「客の要望によって如何様なものでも作る」というオーダーメイド・システムを導入し、「目の前で捏ねる」という視覚的要素を採り入れ、しかも「店員が歌う」という劇場感覚も採用する、という手法で、従来からあるアイスクリーム屋さんを圧倒する集客力を得ているわけですよ。要するに、ちょっとした付加価値があるかないかで、商品力は全然違ってきてしまうんですな。事実、「31アイスクリーム」よりよほど高い値段設定なのに、あれだけの人が「並んででも食べたい」と思うのですから・・・。

ま、そのことは、多分、今あるどんな商売にも当てはまるんでしょう。激しい同業者同士の競争の中で、できることはすべてやり尽くしたと誰もが思っているかも知れないけれど、まだまだどこかに付加価値をつける余地があるのであって、それに気づくかどうかが突出した成功を収めるかどうかの別れ道なんでしょう。

私は勝手に想像するんですが、コールドストーン・クリーマリーにしても、ひょっとすると最初は一人の陽気な店員が、ふざけて歌いながら客の注文に応じていたんじゃないですかね。で、それが評判になって、アレ? この付加価値はイケルかな? じゃあ、店員全員が歌うことにしようか、ということになり、それが受けて2号店、3号店・・・と増えていって、ついにはそれがチェーン店のシステムとなった、と。真偽のほどは分かりませんけれど、そんなふうに想像すると、いかにもアメリカだなあ!という気がしてきます。「楽しさを売る商売」ということになると、アメリカ人っていうのは天才的なところがありますからね。

ま、他人事ではなく、私自身の研究にしたって、そういう「大きな差を生む、小さな付加価値」というのはあると思うので、その意味でも、こういう新興のビジネスというのは見ているだけでも勉強になります。


さてさて、今日は「終戦記念日」ですから、本当はアイスクリームのことなんか考察している場合じゃないのかも知れませんね。本当は、小泉首相の靖国参拝問題の是非でも考察した方が良かったのかも知れない。それは私もそう思うんです。しかし、今日が何の日かなんて気にしたこともなさそうな人々の群れが、コールドストーン・クリーマリーの前に長蛇の列をなしているのを見ると、善きにつけ悪しきにつけ、60年間の平和ってのは、つまりはこういうことなんだよなと、思わざるを得ないところもある。

今日はしかつめらしく大上段に構えたことは言わずにおいて、多くの善男善女と共に、珍しいアイスクリームを賞味した一日ということにしておきましょうか。





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Last updated  August 15, 2006 06:17:04 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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