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January 15, 2011
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カテゴリ: 教授の追悼記




 細川さんと言えば、甘いマスクの二枚目俳優というイメージ、あるいはまた木の実ナナさんと組んでロングランとなったミュージカル、『ショーガール』の主演などでお馴染みですが、私としては、16年の長きにわたって続いたFM東京の昼の番組、「ワールド・オブ・エレガンス」のナレーターとしての細川さんが一番印象に残っております。

 服飾メーカーのワールドが提供していた「ワールド・オブ・エレガンス」。この番組のことについては以前、このブログにも記したことがあると思いますが、これが独特の雰囲気のある番組でね。特に私がよく聴いていた頃は、レイモン・ルフェーブル・グランド・オーケストラの奏でる「ラブ・ワールド」という曲がテーマ曲になっていて、フランス語特有のアンニュイな雰囲気が、番組全体の雰囲気をよく醸し出していたものでした。

 そしてそのアンニュイな雰囲気の中、あの頃流行ったポール・モーリア的な、クラシックとポップスの中間に位置するようなインストルメンタル曲がかかる。で、その曲にふさわしいちょっとしたドラマ、というか独り言のようなセリフを細川さんがナレーションする形で番組が進行していくのですが、その細川さんの甘く、クールなナレーションがものすごくよくて、あの昼の30分ばかりは、私の乱雑な自室が、それこそフランスはパリの街角にでもなったような感じがしたものでございます。

 そう、細川さんの声は甘いんですけど、その甘さの下に冷酷さや凄味が隠されていて、いわば「殺し屋の甘さ」とでも言いましょうか、それがいかにもフランス(映画)っぽいんですよね。映画で見るフランス人って、どんなに仲良くなっても最終的には裏切りそうな感じがしますでしょ? 自分の身を呈してまで他人を助けるなんてことがないような気がする。「そんなことしたら、自分が損じゃん?」という冷徹なフランス的合理主義。そういうメタルっぽい冷たさを甘さでコーティングしたのがフランス的優しさだと表現するならば、細川さんが醸し出す甘さというのは、そういう「鉄の甘さ」であったような気がします。実際、(私は見ていませんが)細川さんが出演された映画作品の中には、狂気に近いほど冷酷な男を演じたものがあるそうですが、細川さんなら当然、そういう役もこなせただろうなと私は思います。

 ああ、細川俊之って、好きな俳優だったのになあ・・・。

 甘く、クールで、時にはコミカルな役どころまでこなした特異の人、そして私にとっては強く思い出に残るFM番組「ワールド・オブ・エレガンス」のナレーターであった細川俊之さんのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。





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Last updated  January 15, 2011 02:17:27 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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