ライターかあさんと一病息災家族 

ライターかあさんと一病息災家族 

2011年09月30日
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何も言葉が出なかった
何か言ってあげたいし、何か言ってあげなきゃ

でも、言葉なんて本当に無力だ
こんなときに適当な言葉なんてありえない。。。



Hちゃんはずっと友だちを作ってなかったのだとHちゃんママは言う

「初めての入院のときは、そりゃたくさんの友だちを作って
 仲良くやってたんだけど

 退院したらあわないし



 退院して地元校に戻れば友だちはいっぱいいるのよ。
 そんなに気むずかしい子じゃないのよ。
 でもね、病院って…

 それなのに、本当に大好きだったの
 久しぶりに心を許したお姉さんだったの」


うちの娘のことをそう言ってくれた


本当に仲良しだった

うちの娘だって、Hちゃんのことが大好きだった



特に、うちにとっては最初の入院だったから
なんの恐れもなく、友だちも作っていたし
入院生活のあれこれを教えてもらっていた









そんな勝手な思い込みがあるが
Hちゃんは3日間くらい昏睡状態があった



初めは泣いていたHちゃんママも
だんだん、笑い声が聞こえるようになってきた


「辛いけど、イヤだけど

 痛い目も、気持ち悪いのも、入院したり、外を歩けなかったり
 しなくてもいいんだよ、きっと
 やっと、病気から解放されるんだよ。。。」




  *  *  *  *  *  *  *  *



つい最近、Hちゃんママと電話で話した


親の気持ちは揺れ動く

「今年の夏、3回忌だったの」

そういうHちゃんママは、まだまだ立ち直れない部分を抱えていると言っていた

「普段は、普通に働いているよ。
 今度、お茶しよう」



  *  *  *  *  *  *  *  *



Hちゃんが息を引き取る前日、
私はHちゃんママと話した


「こういうことがあったとき
 メルアド知っているとお知らせしなきゃならないでしょう。
 Hが入退院を繰り返している間に
 何度も、悲しいお知らせをもらったの
 聞くだけでも、すごく、辛いでしょ。

 だから、私は連絡先を交換しないことにしたんだ

 ひっそり、いつの間にか、病院から消えるから」





その言葉通り、次の日、Hちゃんがいた個室は空っぽになっていた





娘には、Hちゃんの死についてはずっと隠したままだった


「脳外科の病棟に移ったんだって」

そんなウソをついて




もしかしたら、気づいていたかもしれない

でも、娘は「そうなんだ~」と言ったきり
何も追及しなかった





  *  *  *  *  *  *  *  *



今頃、遊んでいるだろうか
娘が得意だったビーズをHちゃんに教えているだろうか


しっかり者の2人は

空の上で、


弱っちい母たちのことを、心配してくれているような気がする







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Last updated  2011年09月30日 17時32分13秒


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