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2006.05.17
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森博嗣の”Vシリーズ”の2巻を読んだ。

○ストーリー
仲間のネリナのバイト先に押し掛けた『アコギ荘』の関係者は,美術館めぐりなどをして高原リゾートを楽しむ。しかし「人形美術館」の文楽の舞台で,彼らが見ているその真っ最中に,連続殺人事件が起きてしまう。これは悪魔の呪いなのか?それとも人形の復讐なのか?

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シリーズ開始早々,1巻目はいきなりな展開だったので,どんなオドロキが待っているのか身構えながら読んだ。今回,ボロアパート『アコギ荘』の面々は,長野県の高原リゾートに繰り出して,事件に巻き込まれる。家族でもない人たちが,そっくり全員別の場所に繰り出し・・・って展開が,すでにマンガかTVドラマ風だ。まあ,つまり相変わらず,このシリーズは若者群像劇だ。(って表現なんかチガウなあ)

主人公4人組,プラス刑事に加え,レギュラーになりそうな人物が2人追加された。大学生の男の子,女性刑事の2人だ。この調子で,4人が6人に,6人が・・・って増え続けるような予感がする。でもきちんとセリフ,服装,行動が色分けできているから混乱しない。これは森博嗣の力量だね。

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事件の舞台となる家の家系が複雑で,これは少し混乱した。森博嗣ミステリにしては珍しく,過去の血縁が事件と絡むので,亡くなった人含めて10人以上の家族の関係がよくわからない。これは家系図を加えておいてもらいたかった。ワガママかも知れないけど。

例によってミステリともからむ思索テーマは,「数奇にして模型」でも扱った,”人形”だ。特に,文楽などの人形劇を鑑賞する際の,人形と黒子(くろこ)への考察は,僕も感じていたことだったので面白かった。



ミステリの部分は,僕としてはキライじゃない展開だった。でもそれよりも,その先で提示される映像的なモノの方が圧倒的な印象を残す。

「これは素晴らしい」と思っていたら,エピローグ・・・なんか不気味なエンディングだった。なんかコワイなあ。








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Last updated  2006.05.21 19:40:42
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