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2006.07.23
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変化球本格推理作家・西澤保彦のスタイルを決定付けてしまったというSF本格ミステリーを読んだ。

○ストーリー
祖父が死んでしまった!この事件を阻止するために,キュータローは時間をさかのぼる。キュータローは,1日だけ時間を戻し,過去を改変する能力を持っていたのだ。ところが,過去のいろんな部分を変えても,その都度祖父は死んでしまうのだった。繰り返せるたった1日を使って,キュータローがたどり着いた決着とは?

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西澤保彦が積極的にSF設定を取り込み,かつ軽やかに表現して見せた本格推理小説だ。「不自然に孤立した館で密室殺人が起きる」「リアルでシリアスで重い」という本格推理小説の短所を,意外な方面から突き崩して見せた。

本格のルールを崩してしまった一方で,その作品独自のルールを設定し,それに従った本格推理小説を展開している。これまでは少ない(なかったワケじゃないけど)手法を巧みに扱って見せて,新しい味わいの小説をいくつも書きあげ,西澤保彦は,もはや新しいジャンルの創設者と呼んでも差し支えないと思う。

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この作品の魅力は,主人公キュータローと遺産争いで集まっている親族たちのマンガチックに脚色された行動やセリフによるところも大きい。たぶんにオオゲサなんだけど,中心にキュータローというのんびりしたキャラクターがいることで,フツーだったら聞くに堪えないような骨肉の争いが,コメディとしてさらっと読み流すことができている。

同じ1日が繰り返されることで,最初はイヤなキャラだと思わせておいて,その後に意外に純情な面や,いい人な面を描いて見せたりするので,読み終わる頃には,この作品の登場人物のことをたいがいは好きになっている。



この作品のSFと推理小説とコメディの巧みで微妙なバランスは偶然なんだろうか?






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Last updated  2006.07.23 12:05:18
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