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2006.11.23
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喜国雅彦の「笑う怪獣」を読んだ。

○ストーリー
学生時代からの友人のアタル,京介,正太郎の3人は,ヒマさえあればナンパを繰り返している,おバカな3人組だ。たまたまナンパに成功し,クルーザーで無人島に3人の女性(?)と共に上陸した彼らが目にしたのは,体長80メートルはあろうかと言う怪獣だった。

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西澤保彦の名前をきちんと把握する前,書店でこの本を手に取り,「喜国雅彦の小説がある!」とカンチガイした思い出がある。西澤保彦を知って,作品をほとんど読破中であっても,この作品の読後感は,喜国雅彦のマンガを読んだ,というモノに近い。

西澤保彦というと,かつてはハチャメチャSFミステリー,現在は自己反省ジェンダーミステリー(なんだそれ?)という作風なんだと思う。この作品は,最近堅苦しさを感じる作風から意図的に離れるために作られたような作為を感じる。とにかくバカ,エロい,アホな男の妄想に満ちている。

「ミステリー劇場」とサブタイトルが付いているのが,なんとなく悲しい。これがないと,この作品のジャンルが,何なのかサッパリ判らないからだろう。それでいながら,前半はほとんどミステリーの要素が薄くて,もっぱらギャグとエロに走っているのが笑える。ヲイヲイ。

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いちおー,簡単に各編について述べておく。

いきなりエロいわりにキツイ設定だ。ここで読者を選定しようとでも言うのだろうか?ミステリー要素ゼロで,ギャグでオチ。

「怪獣は高原を転ぶ」:妖艶な3人の女性に,別荘に招き入れられた3人組は・・・
第1編よりは,だいぶ凝った構成になっている。表面上は同じ展開なんだけど,作品としてははるかに上だ。

「聖夜の宇宙人」:イブの日,3人が出会った魅力的な少女の正体は・・・
これはキツイかも。いくらショートショートでも,ここまでネタなし,オチなしでは。唯一のオチが,「両性具有迷宮」と同じ宇宙人とは。

「通りすがりの改造人間」:正太郎が同棲しているセクシーな美女の正体は・・・
なかなかエロい。読者が男性か女性かで,すっかり評価が分かれそうだ。このハチャメチャ展開で,きちんと裏にミステリーを(無理やり)成立させていることに,西澤保彦のプロ意識を感じるのは,僕だけだろうか?だろうな。

「怪獣は密室に踊る」:京介がカワイイ女の子と結婚した。ところが京介は誘拐され・・・
うーん,ピザ宅配のお姉さん以外は,見るべきところなし,か?ミステリー要素にあまりにも無理があって,さすがに楽しめない。

「書店、ときどき怪人」:アタルが恋人にした北欧の女性は・・・
だいぶ期待をさせて引っ張ったわりには,結末が拍子抜け,って,この本を象徴しているかも知れない作品だなあ。それなりにオトコの悲哀は感じさせる。


語り手が3人組から,幽霊の女子高生に変わってびっくり。あと作風も,西澤保彦らしい,議論で解くミステリーになっていて,またびっくりだ。西澤保彦らしい作品だけど,この本らしくはないなあ。






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Last updated  2006.11.23 19:13:53
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