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2008.08.30
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西澤保彦としては,久々のフツーのミステリーだ。当然パズラーぞろいだ。

○ストーリー
洋食レストランを突然襲った強盗,彼らはオーナーシェフの建物改修資金を狙い,店に立てこもる。計画が失敗に終わり店から引き上げようとする犯人たちを,1人のおとなしそうな男が呼び止める。そして事件に隠された,もう1つの計画が明るみに出る。

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市役所に勤めるよろず相談係こと「腕貫探偵」のシリーズの2冊目だ。前作同様に,櫃洗市(ひつあらいし)のある人の身の回りで事件が起こるが,明かされない謎が残る,そして相談を受けた腕貫探偵がそれを解く,という展開だ。

表面上の事件,事象から,隠された出来事があぶり出され,謎が解ける。登場人物と読者は謎が解けたことに安心するものの,しばらくすると謎と共に明らかになった人間の心の怖さにゾッとする,とう展開は,西澤作品ならではのものだ。

ただし,いくつかこの続編では異なる点がある。まずは主人公,腕貫探偵が相談窓口ではなく,レストランや飲み屋で相談を受ける,つまり勤務時間外ないし「残業中」だということ。次に前作以上に各短編を通して登場するキャラクターが目立つこと。最後に,それにより全体が明るいトーンになっていることだ。

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さて,この腕貫探偵とは一体どういう人物なのだろう?前作では,神出鬼没の登場の仕方や暗い雰囲気から,「リドル・ロマンス」の変形ではないか?つまり悪魔的な存在ではないかと思っていた。



ダークな雰囲気が薄れると同時に,シニカルな切り口も鈍ってしまっていると思うのだが,久々の西澤ロジックに大満足だった。

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各編について簡単に述べる。
『体験の後』:ストーリー紹介参照・・・緊迫感のある事件があり,意外などんでん返しがあり,とサービス満点の作品。ただし,「腕貫探偵シリーズ」としては異色だ。

『雪のなかの、ひとりとふたり』:口論の末,妻を殺してしまったと自首してきた男。彼が隠していた秘密とは・・・例によって状況証拠からストーリーを再構築するパターン。個人的には犯人の行動にナットクがいかない。

『夢の通い路』:実家から出てきた高校時代のあこがれの同級生の写真,それに誘われるように僕はその頃過ごしていた街を再訪し,当時の隠された事件の謎に直面する。・・・高校時代のあこがれの女性,失われた記憶,と来て,西澤作品のあるパターンになるかと心配したが,逆にサワヤカにまとめてあった。オススメだ。

『青い空が落ちる』:老婦人が,銀行から持ち帰った莫大な額の現金は,どこかへ消えてしまった。果たして彼女は事件に巻き込まれたのか?・・・こうした悪意もあるのだろうか?でもピンと来ない。

『流血ロミオ』:女子高生2人が死んだ。犯人は1人の犠牲者の叔父なのか?それともクラスメートの少年か?・・・これぞ西澤作品という印象。証拠はないけどおそらく,という解決。しかもその解決がとてつもなくブラック。

『人生、いろいろ。』:内縁の妻を殺そうとしていた俺の計画は完全に狂い,彼女も愛人も去ってしまった。おまけに実家は泥棒に入られ,タンス預金は消えてしまった。ところが・・・前半が余りにチンプな展開,また登場人物が安っぽい小悪人ばかりでガッカリ。






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Last updated  2008.08.31 22:58:42
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