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2008.09.01
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すっかり少なくなってしまった森博嗣のミステリーだ。シリーズに属さない単独の長編だ。

○ストーリー
死んだクラスメート・杉山は,僕・淵田の名前が刻印された金属プレートを遺していった。親しくも無かった彼が,それを持っていたことを不思議に思った僕は,彼のことを調べ始める。事件はカギはどうやら,僕の失われた記憶にあるらしい。僕はいつの間にか,事件に巻き込まれていた!

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森博嗣のミステリーといえば,もっぱらシリーズモノで,しかも最近はかなりとっつきにくい。単独の長編ミステリー作品の発表は本当に減ってしまって残念だ。この作品の前は,「カクレカラクリ」,その前が「探偵伯爵と僕」だと思う。他の作品は,なんらかシリーズに関連があるか,ミステリーではないか,だ。

この作品の特徴は,主人公・淵田たちがフツーの高校生であるということだろう。才能のある大学生あるいは社会人が主人公を勤める,各シリーズと異なり,淵田たちは才能も行動力もない。だが,それゆえに作品全体を,不思議な緊迫感が貫いていると思った。

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淵田と友人の姫野の会話も秀逸だ。高校男子2人のボソボソした会話が,やけにリアルに描けている。「理数系」なのか「電波系」なのか分からない主人公たちのオンパレードだった,初期の森博嗣からすると,だいぶ肩のチカラが抜けている,というカンジだ。

ある意味,この作品はフツーな人間の勝利を描いている。犯人の悪しき計画を見抜いたのも,それを暴いたのも,そしてピンチにおちいった主人公を助けたのも,全てフツーな人々たちだ。



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とは言え,もちろん森博嗣らしい文章や表現が無いわけではない。主人公・淵田の夢のシーン,花の栽培への分析など,リリカルで切れ味鋭い,という部分はまだ残っている。

スポンサーに気を使いすぎた,という印象の「カクレカラクリ」と比べ,ひじょうに地味な作品だが,個人的には楽しめた。

意欲的だったが空振りに終わった「探偵伯爵と僕」と,主人公の無力さ,緊迫感,事件への巻き込まれ方が似ている。ひょっとして,リベンジ的に,別作品として書き直したのは,とさえ疑ってしまった。







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Last updated  2008.09.01 23:47:11
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