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2010.04.26
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カテゴリ: びしびし本格推理
ある一点だけが我々世界と異なる世界を舞台にした石持浅海のSF風ミステリーを読んだ。

○ストーリー
1学年上の優等生で誰からも慕われていた姉が学校で殺された。動揺するハルカたちをあざわらうかのように,次は同学年の優等生が殺されてしまう。2人が所属していた天文部の伝説,姉にまつわる噂,そして学校側と警察側の不思議な行動。いつしかハルカは,世界のあり方の秘密に近付いていく。

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西澤保彦が書きそうな設定だなあ,というのが最初から最後まで思っていたことだ。西澤保彦ならば,もっとずっと楽しい話になっただろうが,ムダにエロい展開になるだろうし,痛烈にアンチ男性の物語になったと思う。

ミステリー作品には,どうしても事件や謎が必要で,しかもそれが最初は解けないように見えて,最後には見事にロジカルに解かれなければならない,というような,様々な”設定上の縛り”がある。

しょせんはロジックや思考のゲームならば,SF的な設定を導入することで,通常の世界とは異なるルールを導入し,新しいゲームを行う,というのはなかなか面白いアプローチだ。

石持浅海は,西澤保彦の前例にのっとりながら,自分らしい端正でリリカルな作品に仕上げている。

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石持浅海の作品は端正だ。登場人物の思考も,ほとんどの人がひじょうに真っ当で,当たり前のように理性的に行動する。男女の関係も淡白でストレートだ。

そうした作家が,女子高を舞台にして,男性と女性の問題がテーマになったミステリーを書いている。展開も設定も,これまでの石持作品と比べれば,ずっと過激かも知れない。

けれども悲しいかな,予想通りいろんな部分がぎこちない。SF的な設定も,ある事件の展開を制御するためなのか,ツギハギになっているし,女子高生たちの思考パターンでこれはないだろう?と感じられるのが多いし,登場人物たちの気持ちの動きが不自然だ。

不得手なフィールドを舞台にして,SF的なミステリーを書き,きちんと破綻なく仕上げているというチャレンジは認めてあげたいが,やはりいつも通りの作品を書いていれば良かったのに,と思わざるを得ない。









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Last updated  2010.04.28 22:50:19
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