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2010.09.25
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カテゴリ: びしびし本格推理
昔話や名作などの逸話をモチーフにした石持浅海のミステリー短編集を読んだ。

○ストーリー
バレンタインデーに,妻は僕にカメラのフィルムをプレゼントしてきた。だが僕は1年前にデジタル一眼レフを購入しており,もうフィルムカメラも手放していた。その事実を知っている妻は,なぜこのプレゼントを選んだのか?

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作品タイトルの「賢者の贈り物」以外にも,シンデレラ,人魚姫,「最後の一葉」など,有名作品のモチーフをほんの少しだけ用いて,日常ミステリー風に仕上げた連作短編集だ。

各編には必ず磯風という古風な美人が登場するが,OLだったり,子持ちの女性だったり,女子高生だったりと様々で,どうやら同じ人物ではないらしい。探偵役ではないので,パラレル世界をつなぐ,狂言回しと言ったところだろうか?

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新書版で250ページの厚みで10編の短編を収録しているので,それぞれはさらりと読めてしまう。また短いだけでなく,元のモチーフにある程度は従うので,なんとなく内容が読めてしまって,ヒネリが足りないような印象を受けた。

作品の雰囲気は,常識的で牧歌的だ。初期の石持作品はあえて不自然な状況で物語を展開していたような気がしたが,フツーの現代日本の人々が登場するこの作品は,とてもマトモだ。



子どもを授かるのは幸せ,女の子は男の子から声を掛けてもらうのを待っている,友人を心配して夜も眠れない,こうしたストーリーが当たり前として語られると,ヒネクレ者の僕としては,ちょっと引いてしまう。

殺人者であっても探偵は警察ではないから見逃す,という作品を連発していた同じ作者とは思えない常識人ぶりだ。

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各編について簡単に述べる。
「金の携帯 銀の携帯」:携帯電話を修理に出す間の代替機として差し出されたのは3台。1台には5万円が,1台には5千円が,1台には0円の電子マネーがチャージされていた。僕が選んだのは・・・磯風は美人で有能なケータイ会社の窓口の担当として登場。泉の女神のように神秘的なキャラだ。主人公の行動は読めてしまうので,それまでの葛藤を楽しむ・・・のだろうか?

「ガラスの靴」:同期の家で開催された飲み会で,女性の誰かはハイヒールを忘れ,その部屋のサンダルで帰ってしまった。だが数日たっても誰もそれを言い出さないのはなぜなのか?・・・社会人の恋愛って,こんなに初々しいかなあ?80年代のテレビドラマのようだ。

「最も大きな掌」:ベンチャー企業の創業者社長が言い残したのは,自分の後継者には『最も大きな掌』を持つものがふさわしいということだった。立会人に選ばれた僕の決断は・・・これってミステリーなんだろうか?

「可食性手紙」:わたしが試験対策で作ったカンニングペーパーはオブラート製だった。だが試験が始まり,それを開いてみると・・・キモイ。

「賢者の贈り物」:妻が私にバレンタインでプレゼントしたものは,私にはもう不要なものだった。しかも妻もそれを知っているはずだった。果たしてこの行為の意味は?・・・夢いっぱいの短編で,いかにも男性が書きそうな女性の行動が見られる。

「玉手箱」:ランニングの際にある少年に運動を教えてやったことで,少年はいじめから脱却できた。その母である若い女性と愛し合うようになってしまった僕に,女性が手渡した箱の中には?・・・これはファンタジーなんだろうけど,男性のリアルな悩みが描かれていて共感ができた。

「泡となって消える前に」:僕には付き合っている彼女がいる。だが彼女は極端で無口で,自分のことを語らない。一方で実家からお見合いの話が舞い込んできた。果たして彼女が無口である理由は?・・・「玉手箱」と同じように,いろいろと悩んでしまう男性が描かれていて悪くない。でもこの女性ってやはり不気味だ。



「最後のひと目盛り」:失恋し,アパートにこもってやけ食いをしている私を,サークルの友人が食事に誘い出す。結局さらに太ってしまったのだが,そこで起きていたことに気付いた私は・・・デキスギ君登場。

「木に登る」:友人と同時期に購入した株が暴落する情報を,私はつかんだ。だがなんと友人は南米に出張に行っている。暴落が始まる前に,連絡をつけることはできるのか?・・・主人公があまりにもいい人なので驚いた。










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Last updated  2010.09.26 14:42:42
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