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2011.03.07
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逢坂剛のサイコサスペンス中編集を読んだ。

○ストーリー
精神科医・坪田の患者は,スーツに身を包んだ美しい女性だった。だが彼女は目を水泳用のゴーグルで覆い,あらゆる光を嫌っていた。坪田は彼女を治療する過程で,徐々に彼女に惹かれていくが,彼女の過去には深い秘密が潜んでいた。

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サイコサスペンスの中編が3編収録されていて,ひじょうにまとまりがある。その分,展開が読めてしまう部分もあるが,絶妙な長さで飽きさせない。

これが短編では物足りないだろうし,長編では中だるみをするだろう。そうした中編をうまく一冊の作品に仕上げている。なにしろバランスが良い。

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逢坂剛は不思議な作家で,和製のハードボイルド作品,スペインを舞台にした冒険小説は有名だが,一方で脳生理学や精神分析をテーマにしたサスペンスミステリーも数多く手掛けている。

この作品はそうした傾向の中編を集めているので,メジャーな逢坂剛を期待した人にはガッカリされる可能性がある。けれどもなかなか佳作が集まっていると思う。また〈岡坂神策シリーズ〉同様に,微妙に歴史の流れを感じさせてくれる。



各編について簡単に述べる。
「水中眼鏡の女」:門倉千春は,異様に嫉妬深い夫に悩まされ,逆に彼の身辺調査を行う。だがその調査がきっかけで,千春にはとんでもない悲劇が訪れる。・・・さすがは表題作だけあって読み応えがある。謎を解決しても次の謎があり,どんどん引き込まれる。終わったと思ったら,最後に○○○○○○があり,驚き,また読み返してしまう,と言う風に何度も楽しめる。

「ペンテジレアの叫び」:大富豪の邸宅で働き始めた美那子は,精神障害で歩行能力と言葉を失ってしまった夫人の面倒を見る。だが,その家には恐ろしい秘密があったのだった。・・・これも時代がかっていて,少しホラーテイストで面白い。ラストの緊迫感も秀逸。
逢坂剛のサイコミステリーには,一定の法則で題名が付けられていて,「クリヴィツキー症候群」,「カプグラの悪夢」,「デズデモーナの不貞」という作品がある。その法則で言えば,この中編が表題作になってもおかしくなかったんだなあ。

「悪魔の耳」:かつての連続強盗殺人犯の片割れが精神鑑定で無罪となり,5年ぶりに退院した。彼を逮捕する過程で,相棒である弟を射殺した刑事たちの周辺に,謎の男が現れる。・・・3つ続くとさすがに先が読めてしまうが,それをさらに裏切ってみせようとするサービス精神には脱帽する。でも後味があまり良くない。








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Last updated  2011.03.07 21:38:53
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