ワインと絵画がある生活

ワインと絵画がある生活

2006.07.19
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 今日も小雨。いよいよ本命の美術館巡り。京都国立近代美術館、京都国立博物館、細見美術館、河井寛次郎記念館をまわった。

 タクシーの運転手と話していると、藤田展が会期末ということもあって、とても込んでいるらしい。休日は何十分も待っていたとか。国立博物館からまわる予定だったのだが、急遽変更。朝だったら少しはましだろうと先に国立近代美術館へ。

京都国立近代美術館
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 平日の午前中ということもあって行列はできていなかったものの、かなり盛況だった。そしてもちろん満足度は高かった。

 エコール・ド・パリ時代の初期の画風から、乳白色の時代、日本に帰国してからのもの、従軍画家時代、そしてパリに再び舞い戻ってからの最晩年のもの。それぞれ特徴があり、乳白色の先入観が強かったわたしにとっては驚きでもあった。

 個人的に好きなのは、日本在住時代と、晩年にパリに渡ってからのもの。また藤田の描く、おでこが広くつり上がった目の子供の絵は、現代のアーティスト(名前を忘れた!)に何となく似ているような気がする。

細見美術館
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 常設展示を見たあとは、近くの細見美術館へ。細見美術館は、日本美術を中心とした個人美術館だ。ここも知り合いからお勧めといわれていたところ。館内は静かで落ち着いた雰囲気。ゆっくり鑑賞できるように、移動可能な椅子が各部屋に置いてある。

 今回訪問したときは「珠玉の日本美術 細見コレクション リクエスト展」という企画展をやっていた。小さな美術館なので20分もあれば全部見て回れるが、ここでは腰を落ち着けて、気に入った作品を眺めたい。

 また驚いたのは若沖(じゃくちゅう)なかでも、かなりの上物が数点あったこと。ちょうど今、東京国立博物館で若沖展を開催しているので、日本国内からも集めていると思ったのだが、そうではないようだ。たしかに東京国立博物館の若沖展は、サブタイトルがプライスコレクション(アメリカの収集家、プライス氏のコレクション)になっている。 
細見美術館

 こぢんまりとした美術館だが、宗達や光悦、大雅などの作品や、平安・鎌倉の重要文化財まで、質の高い作品が展示されている。また、ここのミュージアムショップは一見の価値あり。気の利いた小物がたくさん置いてある。

住所:京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
時間:10:00-18:00(最終入場17:30)
休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
料金:\700
URL: http://www.emuseum.or.jp/


 鑑賞後は、同じ建物にあるカフェでランチ。このカフェは美術館以外の客も入れる。そんなこともあって、結構お客がいたにもかかわらず、平日の昼間からワインを飲んでいたのはわたしだけだった。前菜は、塩分がしっかりしてワインがすすむ。思わずワインをおかわりしそうになってしまった(笑)。

カプレーゼは、ちゃんと水牛のモッツァレラを使っている
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昼間からワインを飲む幸せ
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 ただし一般人のわれわれからすると少し変わった人物で、30代半ばから柳宗悦らとともに日本民藝運動をはじめると、作品に「銘」を入れなくなる。また陶芸家や陶芸作家と呼ばれるのがいやだったらしい。親の職業欄になんと書くべきかと子供に聞かれると、



と言ったとか。

 河井寛次郎のことは最近まで知らなかったのだが、先日テレビ東京の「美の巨人たち」で2回にわたって特集されて、なかなか面白そうだったので訪問した。

美の巨人たち
河井寛次郎(前編)
河井寛次郎(後編)

 記念館は、京都の五条坂交差点近く、京都国立博物館と清水寺のあいだに位置する。住宅街の中にあるので、あらかじめ知らないと訪問できない場所だ。

河井寛次郎記念館。竹矢来が美しい。看板は交流のあった棟方志功によるもの。
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 この記念館は、河井寛次郎自身が設計した住宅兼工房を、そのまま利用している。間口はそれほど広くないが、奥行きがあって結構広い。建物は、横長のコの字型になっていて、家の奥には窯もある。内部には、陶器や椅子、木彫などが展示されている。

 ただし、ここは展示されている作品を鑑賞するというよりも、寛次郎が過ごしたこの空間を楽しむべき場所だと思う。ここには独特の空間的魅力が存在する。展示されている陶器の数は、大原美術館のほうが多いような気がするし、それ以外のものも展示点数は多くない。

 1階と2階には寛次郎の作成した椅子があり、また2階には畳敷きの部屋もある。詩仙堂で雰囲気を楽しんだのと同じように、ゆっくり楽しみたい。できれば、1階でお茶を飲めるとよいのだが...。

 ここで不思議なのは年間パスポート(\3,000)があること。年4回展示替えが行われることもあるが、やはり熱狂的なファンがいるのだろう。

二階の一室。写真に写っている部屋には入れないが、手前の畳敷きの部屋には入れるようになっているので、ゆっくりするには最適
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家の奥にある窯
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河井寛次郎記念館

 寛次郎の「寛」の字は、儿の部分に点ありが正しいのだが、ブログでは機種依存文字として入力できなかった。シフトJISではFAAA。

住所:京都市東山区五条坂鐘鋳町569
時間:10:00 - 17:00
休日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
   夏期休館(8月11日頃~20日頃)
   冬期休館(12月24日頃~1月7日頃)
料金:\900
URL: http://hcn.plala.or.jp/fc211/sagi/


 続いて京都国立博物館へ。京都国立博物館を訪問するのは数年前の雪舟展以来。

国立博物館のWebサイト を見ていただくとして、京都の文化財保護という博物館の生い立ちにまつわるものが展示されている。

 国宝26件、重要文化財37件という銘品の数々のなか、個人的によかったのは俵屋宗達の「風神雷神図屏風」。今まで好きだったのだが、おそらく見たことがなかった。また岩佐又兵衞の絵巻物の超精密描写はみごとだった。

京都国立博物館の正門
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ロダンと本館
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 この日はほかに寺社もまわったのだが、それは次回へ。

パート3に続く>
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最終更新日  2006.07.25 13:09:28
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