2024.04.18
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知人の旦那さんが今まさに抗がん剤治療真っ最中。
その旦那さんがぽつりと言ったという。「いい人生やったな」
深い言葉。この旦那さんはうちの夫と同じ75歳。
知人から旦那さんがそういったというのを聞いて私は返すことばがなかった。
まだ人生を賭けた戦いの真っ最中なのにあきらめるのはまだ早いと思うのに。
旦那さんは主治医にガンと告げられた時に何も治療しないと余命はどれくらい?と聞いた。
それから家族とも相談の上抗がん剤治療が始まった。
一般的ながん治療は手術と抗がん剤治療と放射線。
私もそれくらいの知識しかない。
手術を勧められるのは比較的若い元気な人だと思う。
主治医も手術に耐えうる体力があると認めたら手術になると思う。
亡くなった私の父も肺がんだったけど、父はマラソンが趣味で年齢の割に体力があった
ので主治医に手術を勧められた。
父は自分は高齢者だからガンもゆっくり進むだろう。手術しないでも後2年くらいは生きられるだろうと勝手に思い込んだ。
だから手術はしないと主治医に返答した。
実際その時はがんという診断が誤診ではないかと思うくらい元気だったから父もまた
私たち家族も信じられなかった。
手術しないと余命は2か月と言われたけど何事もなく2か月を過ぎやがて夏になると
父は急速に弱っていった。
ようやくがんの診断を信じる気になった父は主治医に手術を受けますと話した。
主治医はもう手術のタイミングではないと言われた。
ガンが進んでもう何も治療ができないという。
父は自宅で死にたいと言い退院を申し出た。
結局亡くなる前の10日くらいを自宅で過ごしたけど、父は母に言いたい放題暴言を吐き
やりたい放題で最後まで母を苦しめた。
今になって父の気持ちが少しわかるようになった。
もうすぐ死ぬと言われた父は錯乱し今まで家族にもみせたことがないような弱さを
見せたということだろう。
死を受け入れられなくて父は最後の最後まであがいていたと思う。
それもまた普通の人間の死に際の姿だと思う。冷静でいられなくても不思議ではない。
知人のご主人のように「いい人生だった」などという達観した気持ちにはなかなかなれない。
抗がん剤治療をしてよくなって元気になった人も知っている。
以前と同様の暮らしができている。抗がん剤治療で髪が抜けきつい治療だったようだ。
でも乗り越えて数年たつ。1年治療のために仕事を休んだけど無事復帰した。
人によっては抗がん剤治療は少しは効果があったとしても延命効果しかないかもしれない。
死がだんだん現実味を帯びて迫ってくる。
その時人は何を考え、どう行動するのか?
神さまから人生の最後をどう生きるのか考えろという宿題をを出されているような気が
する。
どう自分の人生を締めくくるのか?悔いのない人生とはどういう人生なのか?
その人にとっていい人生というのは一人ひとり答えが違うだろう。
まだまだ生きたい、今死にたくはないと痛切に思うかもしれない。
もう自分の寿命は十分な長さだと思うかもしれない。
周りの人の生き方や自分の今後の生き方をいろいろ考えさせられる深い言葉だった。





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最終更新日  2024.04.18 07:46:26
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