「一瞬の風になれ」佐藤多佳子 | らくがんの休日

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Rakugan is Kitten

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2007.08.01

第一部「イチニツイテ」　２００６年８月
第二部「ヨウイ」　　　　２００６年９月
第三部「ドン」　　　　　２００６年１０月　　　　講談社より。

高校陸上部を舞台に描いた青春小説。

主人公・神谷新二は、子供の頃からずっと兄に憧れてサッカーを続けてきたが、
天才の兄に比べて、自分の限界を感じ、高校ではサッカーから離れる。
親友の一ノ瀬連は天才スプリンターだが、競技としての陸上に興味が持てず、中学では中途退部、
その後もクラブ活動をしようとしない。
そんな二人が、二人で競争して走ることの面白さに目覚め、春野台高校陸上部に入部。

メンタルに弱い部分のある主人公とが、心身共に成長していく様子が描かれています。

陸上って詳しくなかったんですが、１回１回走るたびに、こんなに違うものなのかと驚きました。

連が、いかにも天才らしい軽い感性の子で、ちょっと好きなタイプでした。(^^)
「自分はスプリンターだ」とか「１００ｍ走の選手」という意識があんまりなくて、
「主人公とかけっこするのが楽しい」と言うのがピュアな感じで可愛かったです。

主人公は不器用で、初めて行う練習などは要領を飲み込むまでに時間がかかり、
努力して練習してコツを覚えてからようやくできるようになる、というのに共感。
私もどちらかというと、そういうタイプなんだよな～。
ゲームとかしていて大変。(^^;

最初はなかなか記録が出ない主人公が、失敗と成功を繰り返しながら強く育っていき、
風を感じて走る快感を知ります。

爽快な読後感で、気持ちよく読める本です。