「ブラックペアン１９８８」海堂尊 | らくがんの休日

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2009.07.27

２００７年９月　新潮社より

時代は２０年前、昭和６３年。
主人公は医師国家試験を合格して医者になったばかりの世良雅志（せらまさし）。
東城大学医学部付属病院で新米外科医として活躍(?)し始めた彼の目を通して、
ドラマが繰り広げられて行きます。

お馴染みの面々の若かりし頃が見られます。
高階病院長がまだバリバリの現役外科医として登場。
『小天狗』と呼ばれ、小生意気な若造代表みたいな感じですよ。
田口、速水、島津も学生として登場。

そして重要な登場人物として、渡海医師。
天才的な外科技術の腕を持っていますが、世をすねた感じのワケあり人物。
重要なキーパーソンですね。
それと、高階・渡海が所属する外科教室をまとめる佐伯教授とで、ストーリーが進んでいきます。

外科が舞台だと、派手な印象ですね。
スピード感があって、久しぶりに「チーム・バチスタの栄光」を思い出しました。
３人のタイプの違う医師、佐伯・高階・渡海の価値観が激しくぶつかり合って、
はらはらするような事件が起きるんですが、誰もが自分の中に正義や信念を持って
行動しているので憎めません。
そこへ、物事を恐れず、青臭いほどの正義感でまっすぐに向き合おうとする世良が
いい感じに加わってきます。

止血鉗子といっても素人の私にはよくわからないんですが、ハサミみたいな形で
出血点をつまんで止血するのに使えるみたいです。
でも、実際には止血目的より、手術における"指先替わり"としてよく使われる万能鉗子だと
ありましたけど。
表紙の絵がペアンで、これのおかげでイメージするのが楽でした。

相変わらず医療問題の提示はあるんですが、今回は２０年前ということもあるのか
そのカラーが薄く、純粋にフィクションとして楽しむことができました。
気軽に読める感じでした。

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Last updated 2009.07.27 13:44:30
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