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2009.10.06
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カテゴリ: 読んだ本
2007年4月~2008年5月 モーニング連載
2008年10月 講談社より


販売時の帯には「検索から、監視が始まる」というコピーがあったようです。
私は図書館で借りているので、見ていませんが。
タイトルの『モダン・タイムス』はチャップリンの映画からのようですね。
映画は、資本主義社会を生きている上で、人間の尊厳が失われ、機械の一部分のように
なっている世の中を笑いで表現した喜劇です。

時代は21世紀半ば頃という設定。
徴兵制度があったり、政治家が替わっていたりしますが、基本的には現代とあまり変わらない

主人公の渡辺拓海はシステムエンジニア。
仕事である会社のシステムを修正することになりますが、その会社のシステムには謎が多く、
調べていくうちに特定の単語で検索すると何かしらの事件に巻き込まれる、という事実が
判明するのです。
その謎に迫る、というか巻き込まれていく主人公と周辺の人々を描いた話。

勧善懲悪のめでたしめでたしで終わる話ではありません。
何が悪なのか、主人公は誰と戦っているのか、その戦いの行方はどうあるべきなのかも
価値観によって違う、正解のない話でした。
そのため、わかりやすい小説ではなかったです。
読後感もすっきり爽快というわけではないですし。
ただ登場人物が個性的で面白かったのと、その人々が言う言葉にあれこれと共感できたので


強烈な登場人物としてはまず、主人公の妻・佳代子。
美人だけれど格闘(というか荒事全般?)のプロであるらしく、心身共にやたらと強く、
主人公の浮気を疑って、それを白状させるため拷問のプロを雇って差し向けてくる女性です。
小説の冒頭が、主人公と拷問のプロとの出会いからで、びっくりしました。(^^;
そして、この拷問のプロ・岡本猛もなかなかいい味を出していて、結構好きなキャラでした。


詳細な感想は以下に。


違う、誤解だと言っても聞いてもらえない。
横暴な妻による理不尽な仕打ち、と思って憤っていたんですが。

話が進むにつれ、主人公が浮気をしていたことがわかる。
・・・・・なんだ、誤解じゃないじゃん。
しかも、主人公は本当に愛し合っての不倫の恋と思っていたのに、どうもそれが仕組まれた罠
らしいと判明します。
「運命の出会い」と思わせて、それ自体が演出だったのです。
でも、その演出がスゴかった。
人気があって混雑してチケットが取れず、見られない人続出という映画を見に行ったら、
たまたま 映画館がガラガラで自分一人しか観客がおらず、そこへ後からたった1人
入ってきた客が彼女だった。
「偶然ですね」「運命を感じるね」と意気投合する2人。
でも、そんな映画館、私だったら運命よりもホラーを感じるよ。
怖いよ、そんなシチュエーション・・・・。

そして、その妻が可愛い人なんですよ。
主人公のピンチに現れて「私の夫をいじめる人は許さない」と銃を持った相手と素手で戦い、
「危ない!」という主人公の叫びに「(自分の身に迫る危機を)教えてくれてありがとう」と
微笑む。
主人公が言わなくても、そんな気配は察知していて対応できるのにも係わらず。

主人公は「世の中の愛妻家と言われる人は、みな恐妻家なのだ」と思っていて、
妻を心底恐れており、浮気なんて文字通り命がけ、「結婚は一に我慢、二に我慢、三、四が
なくて五にサバイバル」という主義の人なんですが、巻き込まれたトラブルの中で
妻をいかに愛しており、大切に思っているかを知っていくんです。
うんうん、いい話だ。

ストーリーとしては、主人公たちはよくわからない相手と戦うハメになるんです。
国家というか、国家を維持するためのシステムというか、国家が存続していくための社会の流れ、
ひいては惑星の持つ意志というか運命というか。
誰かが悪というわけでもなく、しかし明らかに身近な人が被害に会っていて、
何を倒せば解決するのかもわからない。
何をしても運命の一部で、何も変えられない。
最終的に主人公の選んだ答えは、田舎でひっそりと暮らして、システムに監視される社会とは
極力係わらない生き方なんですね。
見方によっては、逃げて終わる主人公。
でも、それもまた人生の選択だと、何も否定しない優しさも感じました。

心に残ったセリフがいくつかありました。

冒頭で主人公は岡本から「勇気はあるか?」と問いかけられて、小学校の頃の思い出が蘇ります。
「勇気を出せ」と担任教師に言われ、やけっぱちで「勇気は実家に忘れてきた」と答えた
記憶です。
本の最後で、同じ問いを受けて「勇気は彼女(妻)が持っている。俺がなくしたりしないように」
と答える。
清々しい答えで、素敵だと思いました。

主人公の友人の作家が言った「人生は要約できない」。
人生は毎日の取るに足らない出来事の積み重ねで出来上がっている。
誰かの一生を要約しようとすると、そういった日常は省かれて、結婚や就職などの大きな
トピックだけが残る。
でも本当に本人にとって大事なのは、要約して消えた日々であるから、人生は要約できない、
という意味です。
本当にそうだと思う。
大きなイベントの記録より、今日も猫の可愛い仕種が見られたとか、テレビを見ていたら
大事な家族と同じ場所・同じタイミングで吹き出したとか、そういうささいな日常にこそ
幸せがあるんですよね。

あと、
「人は大きな目的のために生きているんじゃない。もっと小さな目的のために生きているんだ」。
これもわかるなあ。
RPGでは勇者が世界を救うために立ち上がるけど、人が何かと戦う動機って
「世界を救う」より「目の前の大事な人を救う」の方が強いんじゃないかと思う。
もっとも勇者も最初から世界を救おうとしているんじゃなくて、身近な目的から始まって
それが最終的には世界につながっていたりするんだけども。

そして、また作家が言うんですよ。
「自分の書く作品で世界が変えるなんて無理だ。だからたった1人に伝わればいいと思った」

随所で、こんなふうにストンと心に落ちるようなセリフがあって、読んでいて
気持ちよかったです。
それがなかったら何だかよくわからない、すっきりしない本で終わっていたような気がする。







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Last updated  2009.10.07 15:31:52
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