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2009.11.17
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カテゴリ: 読んだ本
訳:朝倉久志 他
1990年7月 新潮文庫より


架空の記憶を売る会社を訪ねた。クウェールの記憶を分析した担当の技術者は困惑の表情を
浮かべた。すでに、クウェールの記憶中枢には火星での生活が刻みこまれていたのだ。
さらに、その深層に隠された記憶を探ると・・・・偽の記憶を扱った「追憶売ります」など
12編収録のオリジナル短編集。

(裏表紙紹介文より)


短編集です。
以前読んだ「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が難解だったとブログに書いたら、
こちらが読みやすいと紹介してもらいました。
なるほど、わかりやすい話が多くて、すいすい読めました。

すごいですね、SF作家の発想って。
思いもしない設定とか、世界観にびっくりしました。



 想起装置
 不屈の蛙
 あんな目はごめんだ
 この卑しい地上に
 ぶざまなオルフェウス
 囚われのマーケット
 欠陥ビーバー
 ミスター・コンピュータが木から落ちた日
 逃避シンドローム
 逆回りの世界
 追憶売ります


分かりにくかったのは「欠陥ビーバー」かな。
ストーリーとしてははっきりしているんですが、作家のメッセージがつかめなくて。
こういうのもSFなんでしょうか。

「追憶売ります」が本のタイトルの元になった話のようですね。
昔、シュワルツネッガー主演の映画「トータル・リコール」の原作だそうです。

シュワルツネッガーが大暴れしていたことと、真空状態で体が膨らんでいく映像しか。(^^;
今回読んでみて、火星に行った経緯は思い出しましたけど、その先は未だ不明。(笑)
でも、原作の「実は更に封印された記憶が・・・」という方が、ピリリとした短編らしい
まとまりで、優れている感じですね。

「逆回りの世界」は最初意味がわからなかったんですが、世界観が分かった時に
一番すご~いと思いました。
ある発明品のために、時間が戻ってるんだ・・・!
でも、その発明がなされた初めの時に至ると、発明自体がなくなってしまうので、
時間が正常に動き出す。
そのため一定の時間の中を、世界が永遠に行きつ戻りつする、という発想って驚きです。
ただ、文章の中に、その往復して繰り返される時間がだんだん短くなっていく、
というのがあって、そこのところが私の頭では理解できませんでした。
何で短くなるの?
一定時間をずっと繰り返すんじゃないの?

という感じで、ところどころ難しい理屈などもあったんですが、
全体的には解りやすく、おもしろかったです。
他にもお薦めしてもらった短編があるので、探してみたいと思います。
地元の図書館にはないんですよね・・・・。(-_-;

グラタンさん、ありがとうございました。(^^)





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Last updated  2009.11.24 13:52:20
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