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2013.11.19
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カテゴリ: 読んだ本
2009年09月 小学館より


病院を舞台にした感動ストーリーです。

主人公は栗原一止(いちと)。
長野県松本市の本庄病院で働く29歳の内科医。
夏目漱石を敬愛するため、口調が文語調、他人と群れるのが嫌いなため
変人呼ばわりされています。

本庄病院は病床数400床、24時間365日救急受け入れを宣言している地域の基幹病院。
各地の地方病院の現状に漏れず、慢性的な医師不足。
内科医である栗原医師であっても救急外来の当直を、研修医2人と担当する、という状況です。

眠れない、という日がほとんど。

病院関係者では内科部長の『大狸先生』、副部長の『古狐先生』。
大狸先生は腕の良い内科医で豪快な性格、古狐先生は痩せて忙しさのあまりいつも顔色が
悪いですが、細やかな気遣いのできる、でもなかなかの狐な性格。

栗原医師は密かに人に仇名を付けて呼んでいて、そのへんがちょっと夏目漱石の「坊ちゃん」の影響を思わせます。
いや、作者がではなく、栗原医師が影響を受けているという設定なのかなという意味で。

それから、大学の同期で外科医の砂山次郎。
大柄で色黒で大雑把な性格の、栗山医師呼ぶところの怪獣みたいな人。
読んだ印象では、まあ大雑把な普通の人です。


栗原医師の妻・榛名(はるな)はプロの山岳カメラマン。
華奢な体で機材一式を担いで、モンブランなどの山に写真を撮りに10日間帰らない、

しかし家にいる時は、優しくてよく気が付き、栗原医師を癒してくれる素敵な女性。

2人が住んでいるのは御嶽荘(おんたけそう)という元は旅館であったものを、
今は下宿として貸し出している古い建物。
ただ『幽霊屋敷のごとき二階建ての木造家屋』『梅の古木が枝を広げているが、手入れの
行き届かぬ枝々が軒や瓦にからみついて、樹海の中の遺跡のごとき様相』という表現に割に、

違和感があります。
私の印象だと、築80年~100年くらいでもおかしくない。

同じ下宿に住んでいるのは『男爵』と『学士殿』。
『男爵』は売れない貧乏絵描き。
『学士殿』は哲学が専門、ニーチェ研究に没頭する博識の学生で、本人は博士課程に在席と
言っていますが、在席と言い始めて10年以上なので、そんなに在席できるものか?と
思いつつも、いちいち聞くのは野暮だと栗原医師も男爵も確認はしていません。

こういった人々が織りなす物語が、時には繊細に、時には愉快に、
基本的には優しい時間の流れを作っていくという感じの話です。



以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。























医師不足で、当直となれば日勤の後に徹夜で当直勤務に当たり、翌日は朝から通常勤務、
こんな寝不足の医師が診療にあたることが良いか悪いかと言えば悪い、
でもどうしようもない、自分達に今やれることをやっているだけ、という働き方。

そんな栗原医師に大学病院から誘いがかかります。
本庄病院よりはるかに人手があり、チーム制で難しい病気に取り組み治療法を
研究・模索する。
ふつうなら誰もが喜んで誘いにのるところ。

しかし栗原医師は迷います。
地域の中核病院である本庄病院には高齢者が多く訪れる。
その人々を置いて自分は移っていってよいものか?と。

栗原医師の心には、漠然とですが、医師たるものとは?というイメージがあります。

栗原医師が子供の頃に聞いて、印象深かった話があるのです。
仏師が仁王を彫る話。
無造作にノミを使い、一打ちごとにたちまち眉が、鼻が浮かび上がる。
見物人が驚嘆すると、誰かが「あれは木に仁王を彫り込むのではない。最初から仁王が
埋まっている木から掘り出すのだから容易なのだ」という。
それは土に埋まった石を掘り出すようなものだ、と。

栗原医師はこれに自分の仕事を重ねて、次のように思っている。


 点滴やら抗生剤やらを用いて、絶える命を引き延ばしているなどと考えては傲慢だ。
 もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない。最初から定めが決まっている。
 土に埋もれた命を、掘り起こし光を当て、よりよい最期の時を作り出していく。
 医師とはそういう存在ではないか。


なんかいいなあと思う。
老いて病院に入らなくてはならない状態になったら、栗原医師のいる本庄病院に行きたい。

地域医療の中心として、高齢者が多数訪れる本城病院。
その中に、安曇さんという余命の短い癌患者がいます。
栗原医師が大学病院へ治療法がないかと紹介状を書いたところ、治療法はない、
余命は半年程度なので好きなことをして暮らしなさい、と言われた安曇さんは
「また、ここで診ていただけますか?」と戻ってきます。

身寄りのない高齢者に好きなことをしろと放り出すとは、と怒りを覚える栗原医師。
そして安曇さんの最期まで病院で主治医として寄り添い、苦しみがないようにと治療を施す。
最期は無理な延命治療をすることなく、安曇さんは幸せそうな顔で亡くなっていくのです。
本当に『看取る』という感じでした。

そして栗原医師は大学病院の誘いを断って、本庄病院で尽くすことを決意するのです。


そして、もうひとつ素敵なエピソードが。

学士殿の母が亡くなって、学士殿は自殺未遂をする。
学士殿は実は大学受験に失敗して大学に入れず、しかしそれを母に告げることが出来ずに
ずっとウソをついていたのです。
栗原医師は、学問をするために本当に大学生であるか否かは問題ではない、
学問に向ける情熱と知識が問題なのだ、学士殿は本物の学問の徒であったと告げる。

郷里へ戻ることとなった学士殿と栗原医師とで、最後の一夜は飲み明かす。
朝、廊下へ出てみると廊下の壁一面に桜の花が描かれているのです。
驚く2人に、男爵が「門出には桜が似合うだろう」とにやりと笑う。

大学に入れなかった敗北者が郷里へと逃げるのではない、歴とした学問の研究者が
新しい門出へと旅立つのだ、という仲間達から学士殿へのメッセージ。
じんときて、涙ぐみそうでした。
こういう昭和的情熱みたいの好き。

そんなこんなで人間らしい優しさや感謝にあふれた話で、読んでいて気持ちいいです。





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Last updated  2013.11.19 12:49:59
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