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2016.03.25
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カテゴリ: 読んだ本
2007年05月 双葉社より
2010年06月 文庫化

僕、蓮見亮太18歳。
高校時代まで筋金入りのいじめられっ子。
一念発起して大学を受験し、やっと通称スカ大に合格。
晴れてキャンパスライフを満喫できるはずが、いじめの主犯まで入学していた。
ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部。
僕は、元いじめられっ子のプライドに賭けて、事件に関わっていく。
かっこ悪くたっていい、自分らしく生きたい。
そう、願う、すべての人に贈る傑作青春小説。

(裏表紙 紹介文より)


タイトルが「正義のミカタ」だから、なんとなく小・中学生が主人公なのかと
勝手にイメージしていましたが、違いました。

主人公の亮太は大学生。
高校でずっといじめにあっていましたが、周囲は見て見ぬふり。
人生を変えるため、同じ高校の人が行かないであろう大学を選んで進学しましたが、
なんとそこにいじめの張本人が。

同学年のトモイチに助けられる。
トモイチに連れられて、入部したのが「正義の味方研究部」。
名前がアレなのでふざけた部かと思いきや、周囲で起こる事件について
そこにあるべき正義を考え、ないと判断したら、その是正のために尽力する(時には
実力行使も行う)というまじめな部活動でした。

「正義の味方研究部」は不正が行われているという学内の訴えに応えたり、
新入生歓迎会などでアルコール中毒や不品行な行いがないかを見守ったりします。
時には実力行使も使って、悪を正していく。
弱者の味方をして問題解決をする爽快さが売りの話なのかと思ったのですが、
後半からカラーが変わります。
正義とは何なのかを突き詰めて考えるシリアスな話でした。


以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。
























正義の味方研究部は人望・頭脳・実力があり、他者から敬意を持たれ
あるいは恐れられている。
中盤で亮太は潜入捜査のため、ある部活へ入りる。
そこで出会った間(はざま)先輩から大きな影響を受ける。

間は貧困家庭に育ち、早くから世の中の不公平さに気付き、自分が所属する社会は下であり

ただ問題は「人がやらないこと」が違法行為であっても構わないと考えている。
亮太は、間のすることが悪いことだとは思うのですが、この不公平な世の中において
間が悪人と思えなくなってくるし、間のような考え方も否定できなくなってくる。

結局、間は部活内でネズミ講を組織し、その講で大麻を売ろうとしていた。
亮太に目をかけて、自分と同じ高見に連れていってあげるよと言う。
しかし亮太は正義の味方研究部に全てを話し、目論見が破れた間は姿を消す。
自分には手に入れられない何かを見るたびに後悔してくれ、と亮太に言い残して。
事件解決後、亮太は間に操られていた部長の橋爪と話し、未来の間の姿を思う。
規模を増やし、関わる人を増やし、入ってくるお金を増やし、いつか違法ですら
 なくなったシステムを、十分な知恵と力と資金を蓄えた間先輩は、堂々と操り始める。
 その先に僕に何を見せてくれたのだろう?
 わからない。けれど、それはたぶん、僕が生涯見ることのない世界なのだろう。
 そこでは世界はどんな風に見えるのだろう?そこでは人はどんな風に見えるのだろう?
 そこでは今の僕はどんな風に見えるのだろう?

間について「どう思ったか教えてくれ」と橋爪に問われて、
「ついていきたいと思いました」と亮太は答える。
「そうだろう。俺もだよ」
「わかってます」
「そう思った俺たちは間違ってるのかな」
「間違ってるんですよ、たぶん」
「そうだよな。間違ってるんだよな」
ここで、間違ってるんですよと思えることが、亮太の正義なんだと思います。

しばらく後、学内で図書館の本を盗んで売却する、という事件が起きる。
実行犯はいじめられっ子で、主犯格に命じられて断れずにそれをしていた。
亮太が「いつまでもそうしていてはダメだ。変わるために戦わないと」言うと
実行犯は「おまえなんかに何がわかるよ」と答える。
その瞬間に亮太の中で何かが変わる。
明確に何が変わったのかはわかりません。
ただ、いじめられっ子だった(弱者の代表だった)亮太が、正義の味方研究部に入り
頼もしく強い仲間を得て、強者の立場からものを見るようになった、
自分は弱者と同じ立場にあって正義を貫こうとしているのではない、と気付いたのかな
と思いました。

そして亮太は部をやめる。
やめるにあたって、部の全員と戦うという儀式があり、亘先輩と優姫先輩とは話し合い、
一馬先輩とトモイチとは殴り合い(一方的に殴られてたけど)する中で
全員の正義が語られる。
そのどれもが間違ってはいないんだけど、亮太はそれは何かが違うと思う。
当たり前ですけどね。
だって世の中に絶対的な正義なんて存在しない。

最後に部長と話すと、部長は亮太を自分の後継者にと考えていた、と言う。
部長は高校時代に亮太を超えるほどの凄絶ないじめられっ子で、それを打開するために
大学で正義の味方研究部を作ったと話す。
部長に部をやめる理由を聞かせて欲しいと言われて
「僕は正義の味方じゃないんです」と答える。
それはこの世に正義は存在しないという意味か問われて、そうではなく
「それ(正義)は語っちゃいけないんです。いや、他の人ならいいのかもしれません。
 でも、たぶん部長は駄目です。部長が正義を語り出したらいけないんです。
 僕はそう思います」

と答える。
その真意は
 だってそれは、あなたが語り出したら、止め処がなくなるから。
 僕らが語り出したら、止め処がなくなるから。
 押し込めてきた憎しみが、悔しさが、痛みが、すべてそこに向かって
 溢れ出してしまうから。

ということだったが、その瞬間に「君モ僕ヲ馬鹿ニスルノカ」と逆上し狂乱した部長の
暴行が始まり、真意を伝える余裕がなくなってしまう。
痛みと恐怖の中で、折れて先端のとがった木材が亮太の目に入る。
正義に打ち勝てるのは、恐怖しかないのだろうか。
 正義をふりかざしてくる相手が怖くて怖くて、どうしようもなくなって反撃する、
 その自暴自棄ながむしゃらさしかないのだろうか。
 見てろよ、と僕は思った。きっといつか、僕はそれを見つけてやる。
 きっといつか・・・・。

そして恐怖と痛みの中で一度は木材をつかむが、渾身の力でそれを離す。
ここで僕が反撃したら、あなたの正義が正しいことになってしまうから。
 それだけは絶対にしない。

涙を流しながら耐える亮太に、部長は
「君みたいな人間は、いつかどこかできっと泣きを見るんだ。それでも、僕はもう君を
 助けてあげないよ。正義を蔑む君に、正義に救われる資格などない」
と蹴り飛ばして去っていく。
部長の正義は報復(特定の個人へではなく世界への)であって正義ではなかった、
ということなのかな。
それでも円満に部が回っている時には、学内の理不尽は正されていたんだけどなと
残念に思いました。
動機はともかく結果は悪くなかった。
ただ、それはどこかで一歩間違ったら、こういう狂乱へと向かいかねない正義だった
のかもしれないけど。

気を失った亮太を医務室に運んでくれたのは、なんと畠田。
誰にやられたかと医者に聞かれて、亮太は畠田を指さし言う。
「こいつのせいです。全部、全部、こいつのせいです。
 こいつのせいでこの大学にきて、こいつのせいでおかしなことになって、
 おかしな部に入って、友達もできて、その友達もみんないなくなって、
 だから、こいつです。全部こいつが悪いんです」
畠田は否定せず「こいつがそう言うんならそうなんでしょう」と。
亮太は「嘘です。転びました」と否定し、それから、死んでも言いたくないと思いながら、
それを言わなければ今の僕はここからどこにも行けないと歯を食いしばって
畠田に「ありがとう」と言う。

後日談として、亮太はトモイチから一馬先輩と殴り合いの喧嘩をしたことを聞きます。
トモイチは「(一馬先輩が)俺の大事なダチをボコボコにしやがって」が理由、
一馬先輩は「(トモイチが)俺の可愛い後輩をボコボコにしやがって」が理由。
可愛い人達だ。
亮太が部をやめてもトモイチとは友達のままだし、部長以外の先輩方とも良好な関係で
ほっとします。
ここから亮太は他人の力を恃むことなく、弱者のまま、怒りでも憎しみでもない
自分の正義を探すんだろうなと思います。
亮太の影響か、他の部員達も退部するわけではないけれど正義の味方研究部から
ちょっと離れて、自分達なりの生き方を模索し始めたようです。
部長は片っ端から新入部員をスカウトして回っているらしく、ああ狂乱に墜ちたきり
戻ってこれなくなったんだなあと、ちょっともの悲しい気持ちになりました。

タイトルから想像したのよりずっと深い話で、難しいテーマでした。





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Last updated  2016.03.28 12:54:22
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