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2016.06.06
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カテゴリ: 読んだ本
訳:松岡 和子
2006年04月 筑摩書房より

元老院議員ブラバンショーの娘デズデモーナと結婚し、
幸福の絶頂にあるムーア人将軍オセロー。
だが、部下イアゴーの策略により、その幸せは無残な結末を迎える。
ハンカチ紛失事件でデズテモーナと副官キャシオーが不義の関係にあると
確信したオセローは嫉妬に狂った末に------。
シェイクスピア四大悲劇の傑作を待望の新訳で。

(裏表紙 紹介文より)


あらすじです。

ヴェニス公国軍の将軍オセローは、元老議員の娘デズデモーナと結婚、
キプロス総督に任命される。
オセローの旗手であるイアゴーは、副官になりたかったのに任命されず、
かつ、妻エミリアがオセローと浮気をしていると噂されて、オセローに復讐を誓う。
イアゴーは、オセローの副官キャシオーに酒を飲ませて酔っ払わせ、

キャシオーに喧嘩をふっかけさせる。
キャシオーはロダリーゴーを斬ろうと襲いかかり、止めに入ったモンターノー(オセローの
前任のキプロス総督)に怪我をさせてしまう。
それを見たオセローはキャシオーを副官から解任する。
イアゴーは、デズデモーナに取りなしを頼むとよいとキャシオーに助言。
キャシオーの依頼により、デズデモーナはキャシオーを副官に戻すようオセローに懇願。
イアゴーはオセローに、デズデモーナはキャシオーと浮気をしていると吹き込む。
浮気の証拠を欲しがるオセローのために、デズデモーナが落としたハンカチを
キャシオーの部屋に落として拾わせる。
デズデモーナの浮気を確信したオセローは、イアゴーにキャシオーの殺害を依頼、
自分はデズデモーナを殺してしまう。

殺してしまう。
全てはイアゴーの思い通りになったと見えたが、妻エミリアがイアゴーの悪事を暴露し、
イアゴーはエミリアを黙らせようとして殺害、イアゴーは逮捕される。
騙されたことを知ったオセローは、デズデモーナの遺体にキスをして自殺する。【終】

オセローって馬鹿なの?というのが最初の感想。

キャシオーを自分で副官に任命したのに、イアゴーの言葉だけを聞いてキャシオーは
ダメだと思い込む、愛するデズデモーナの貞節を信じられない、などなど
人を見る目がなさ過ぎじゃない?
公平さもない。
イアゴーの言葉しか聞いておらず、他の複数人から事情聴取しようとしない。
こんな人が将軍でいいのか?もしかして脳みそ筋肉?

一方、イアゴーは悪役として、この物語の主役を務めるのに十分な立ち回りです。
ロダリーゴーは金蔓で、デズデモーナとの仲を取り持つという甘い言葉で
破産させる程に金を注ぎ込ませ、最後には利用した挙げ句に始末してしまう。
キャシオーには友人だと思い込ませ、助言するふりで罠にはめる。
キャシオーも見る目がない系。お友達は選んだ方がいいよ、と思う。
そしてイアゴーはオセローを騙しまくり。

なんでこんなに簡単に騙されるの?と思っていたら、解説がありました。
その当時の観劇というのは見るものではなく、聞くものだったそうです。
この時代は識字率がとても低く、都市部の男性であっても50%以下、女性は20%程度と
見られるとのこと。
読み書きできない代わりに、音としての言葉には想像力豊かに反応しているらしいのです。
「夜の12時」と言われれば辺りが明るくても真夜中の暗がりをイメージし、
「100人の兵士」と言われれば、実際に100人の兵士達がいる様子を考える。
こういう観客が「自分の妻が仕える主人と不貞を働いているという『思い』にさいなまれ、
その考えが『猛毒のように』自分の心を苦しめる」と聞いた時にどういう反応をするのか。
解説によると
おそらく当時の観客は、妻の浮気という妄想にさいなまれる人間の内面を、
 その情交を視覚的に再現することによって生々しく想像していたのである。
 ここまでくると今日の私達が知っている『オセロー』とは別世界の出来事と感じられる
 かもしれないが、実のところ、『オセロー』という劇作品はその当時で言う「脳の疾病」
 を扱ったものに他ならない。
    中略
 シェイクスピア時代の「嫉妬(jealousy)」は今日の「ジェラシー」や「やきもち」とは
 かなり意味が違っていた。
 シェイクスピア劇に登場する"jealousy"とは、基本的に「不信、疑念」を意味し、
 とりわけ妻の貞節を確信できない既婚男性の恐怖や不安を表すものとして使われた。
 極端に言うと、シェイクスピア劇の「嫉妬」は「妄想」と言い換えるとわかりやすいし、
 事実、その症状はイアゴーの表現によると「(妄想の)苦しみで気が狂う」ことになる。
    中略
 『オセロー』の劇世界とは、妄想に取り憑かれた人間(イアゴー)が、同じ妄想を
 別の人(オセロー)に植え付けていく不気味な狂気的世界なのである。

だそうです。
すごい時代だな、これ。
更に、
少しばかり、時代背景に触れると、シェイスクピア時代において心と身体のメカニズムは
 四体液理論という今日の私達にとっては摩訶不思議な理論によって説明されていた。
 四種類想定されていた体液のうち、「メランコリー」が支配的になると、想像力や機知が
 豊かになる反面、メランコリー体質が極度になると妄想癖が生み出されると考えられて
 いた。
 このメカニズムで個人の先天的な気質(あるいは精神障害)が説明される一方、
 心の病という後天的な症状は「燃焼(adustion)」という現象で説明されることになる。
 怒りや恐怖など激しい感情にとらわれると、体液が燃焼し、その毒性の蒸気が人間特有の
 知覚能力(想像、理性、記憶)を侵すとされていたのである。
 「嫉妬」とはこの当時で「メランコリー」と呼ばれる病、すなわち妻の不貞という
 不安と恐怖に取り憑かれ、その情景の妄想にさいなまれる「脳の疾病」だった。

ということらしい。
で、シェイクスピアもメランコリーに関する文献を読んでいると思われ、
イアゴーやオセロー以外にも、ハムレットやオフィーリア、マクベス夫妻、リア王など
メランコリックな登場人物を複数生み出したらしいですよ。
なるほど。いろいろ腑に落ちた。
こういう解説ってホントおもしろい。

地味な存在ですが、なかなかリアルだったのがエミリア。
デズデモーナに忠実な侍女のはずなんですよ。
口の悪い夫イアゴーとは、口げんかもしょっちゅう。
でも、夫イアゴーからハンカチを盗んでこいと言われて、デズデモーナが落とした
ハンカチを、何に使うかは知らないまま、こっそりイアゴーに渡してしまう。
侍女である前に夫婦なんだな、と思いました。
しかしその後、デズデモーナが殺された理由がイアゴーの悪巧みと知ると、皆の前で
イアゴーを告発するんですよね。
夫よりもデズデモーナへの忠誠心?殺人を見過ごさない人としての善意?
立場がころころと変わるんですが、普通にいそうなたくましく生きる庶民の女という
感じでリアリティがありました。






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Last updated  2016.06.07 12:17:44
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