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今回ご紹介するのは個人の別注品。呉服の問屋さんの社長令嬢。柄が決まるまでは紆余曲折がありました。結果的に社長とお嬢様の意見の合作がこれです。臙脂地裾黒ぼかしに宝尽くし文様。地色は臙脂、その上に黒を被せてぼかし上げています。ぼかしも真横に。柄は定番の宝尽くし。背には紋代わりに宝船。近くの柄は省いても良かったかも。とんでもなく目出たい振袖になりました。
2011年01月30日
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「花ぼかし」と言うのは柄の形をぼかしで染め上げて表現したものを表す造語。私が名付けたのですが、小売屋さんから、得意先の製造問屋、職人まで使っています。元々桜や椿の花柄を表現する技法として「花ぼかし」の名を付けたのです。この花ぼかしは圧倒的な人気で、嫌と言うほどコピーが出回りました。コピー商品の常で価格が安いせいかそちらも売れましたが、隣に我が作品を置くとピタリと偽物は売れなくなりました。出来具合の差が歴然としていたからです。ざまを見ろと思ったものですが、今は消えて無くなりました。帯から始まって、絵羽コート、付下、訪問着そして振袖までこの技法で染めています。柄も花柄だけでなく、源氏香や雪輪などシルエットで表現出来るのものは何でも染めました。今回ご紹介する「鈴」の柄も特に評判の良かった柄の一つです。その一つが「大丸取に鈴」ちょっと優しい目の配色で、我が工房では珍しい朱系の赤を使っています。もう一つは大丸の代わりに大鈴で。ちょっと柄をいじくっただけなんですが、こちらも評判でした。これくらい濃い色のぼかしは段差が見えるのですが見事にぼかされています。鈴の花ぼかしは帯でも人気で、今も注文が続いています。
2011年01月07日
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