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振袖の染は相変わらずインクジェットが増えて染の大半を占めています。軒並み生産が減った友禅業界ですが、インクジェットだけは増えました。しかし、インクジェットの振袖に小売屋さんなどが飽き飽きしているのも事実。震災前には手描友禅の振袖の注文が増えていた様に思います。今回ご紹介するのは簡単に見えて無茶に難しい堰出しぼかし。裾に取った雪輪がそれなんですが、蝋で堰をするのは簡単。ナイフで切った様に堰が取れます。ぼかしでそれをするのですから並大抵の腕では不可能。小さな写真でその味をご覧頂けないのは残念です。鉄紺地に裾を臙脂でぼかし上げました。柄は摺疋田の雪輪と金友禅の花丸。もう一色は江戸時代の振袖をイメージした配色。敢えて裾にぼかしを入れませんでした。日本女性の原型である大和撫子に似合う物として配色を付けました。さて貴女に似合うでしょうか。
2011年04月27日
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振袖の定番中の定番、桜と鴛鴦を使った柄は沢山あります。その中でも一、二を争う人気柄です。裾を流水取に染分けて水辺を表現。枝垂れ桜も細くて華奢な一本の枝が、裾に向かって大きく枝を広げた図になっています。定番地色の臙脂は余り使う事がありません。もっぱら黒鼠。その中でも最もオーソドックス配色がこれでした。下染めは定番の濃いめのベージュ。桜では白をメインにした彩色もやっています。その内お客様からの注文でより付加価値の付いたぼかしをと言う事で始めたのが次の写真。下染めは定番の濃いベージュではなく、ブルーに。そして大きく輪を描く様に存在していた枝を下染のブルーを覗かせる事に。出来上がったのはこちら。うねった枝が稲妻の軌跡の様に見えて面白いものになりました。下染めの色を思い切った色にしたのが成功した事例です。お陰さまで現在の注文は全てこちらに。
2011年04月09日
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摺で染める疋田は振袖だけに限らず友禅の定番柄。それでも振袖に使われる事が一番多いかも知れません。工房では十三参りの着物にも多用しています。今回ご紹介する振袖ではバックに使う雪輪と梅の一部に使っています。画像が小さいのでご覧頂いても分かりにくいかも知れません。我が工房の作品としては全体に珍しく甘く軽めの配色です。こういった配色も楽しくていいと思います。松竹梅も振袖の定番柄。色んな形で使っています。松はこの振袖では松葉、竹は笹として。梅は唯一の花ですから、しっかり派手にしています。疋田は濃いグレーですが、派手な赤を疋田に、松葉は全て白にしても良いと思います。こうやって見ると左の袖が寂しい感じがします。次回制作する時は柄を足してやりたいですね。
2011年04月02日
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