ユウ君パパのJAZZ三昧日記

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syoukopapa

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2006.12.05
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カテゴリ: 私の小説集
  また少女、アンジェリーナを待つ生活が始まった。でも、漠然と彼女を公園で待つ日々とは気持ちのハリがすっかり違う。アンジェリーナのきれいな微笑みと純真な瞳は僕の心を捉え、僕の生活の支えになっていた。今思うと彼女に恋していたのかも知れない。そんな恋心とともにある、アンジェリーナに何もしてあげられないもどかしさ。僕に出来ることといったら、神様に祈ることぐらいだった。こんな不信心な僕だから、神様に叱られるかも知れないけれど・・・。

  「君の大事なバレーシューズをお返しするよ。」

  僕は喫茶店で、僕のお守りとなっていたバレーシューズをアンジェリーナに差し出した。もう一度、バレーを踊れるようになるための彼女のお守りになるように。

  「いいえ、このシューズはあなたに持っていて欲しいと思います。」

  きっぱりとした口調のアンジェリーナ。

  「ええ? このバレーシューズは君にとって、とても大切なものだろう?それにこのシューズが身近にあった方が励みになると思うし。」
  「いいえ。今の私には、私の踊りを待っていていただけるというあなたの言葉だけで十分ですから。」

  迷いや恐れ、不安がもうすでにふっきれていたことが、彼女の言葉にはっきりと表れていた。アンジェリーナはもう見つめなければな事実から目をそらすのを止めたのだ。こうして、彼女のピンクのバレーシューズは僕の手元に残った。街はすっかり、クリスマスの装い。静かに流れるクリスマスソング。デパートのガラスに照らし出される、イルミネーションのクリスマスツリー。もういつの頃かは全く思い出せないけれど、多分20年振りくらいに、僕はサンタクロースにプレゼントのお願いをした。かなりビッグなプレゼントを。

  「アンジェリーナがこのバレーシューズを履いて、バレーを踊って、僕に微笑んで欲しい。」







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最終更新日  2006.12.25 12:20:25


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