♪たなひろの医食農日記♪
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雪で開催が遅れていた1月の楽しもう会を先週2月1日(日)に開催しました。 今回はしいたけのコマうち体験。コマうちだけなら雪がふっても、原木を伝承館に持ってきていただければできたのですが、今回はどうしても「現場」にこだわりたい理由がありました。 国産が注目されるようになり、原木しいたけをいただくことはもはや当たり前になりつつあります。ですが、私自身「おいしい!」以上に深く考えたことはありませんでした。それに、コマうちすればどんどん出てきてすぐ食べれるものと思っていたんですね。伝承館で丸太を持ってきてもらい、それにコマうちするだけだったらたぶんまだそう思っていたんじゃないかと思います。 今回お世話になったAさんは、菊池の山間部で干ししいたけとお茶を生業にされています。Aさんにまず案内されたのは、日当たりのよい山間の傾斜面。ここには伐木されたクヌギの丸太がたくさん並んでいました。 「しいたけの菌は生きている木にはつきません。」 木を切る=死んでいるではない。 伐木された丸太は、1年ほど枝や葉をつけたまま乾燥させます。伐木時期が重要で、木が冬眠する寸前で、水を地下から上げず、また栄養分を幹に十分蓄え、春の芽吹きに備える紅葉がはじまったころが最適だとか。 「木を切る前に、幹のところに少し傷を入れてそこに耳をあてます。すると「シュシュシュ」と木が水を上げる音がする。この音が1分以上聞こえるようであればその木はまだ葉を枯らして冬を迎える準備をはじめていないということだから、まだ切るのは早いっていうことなんですよ。」とAさん。 そうして乾燥させた丸太に、今回コマうちさせていただくことになりました。 木にドリルで穴を開けていただいているところに、しいたけの菌がついたコマを打ち込んでいきます。中には「親方」の称号まで与えられるほどはまっていた子も… ちなみに「こまを打ったところからしいたけが出てくる」わけではありません。これから丸太全体に菌が流れ込み、樹脈にそってしいたけが出てくるそうです。コマうちされた丸太は「ほた場」といわれるところに運ばれ、ここで2年、3年としいたけが出続けるまで栽培されます。Aさんはこのしいたけを乾燥させ、干ししいたけにされるわけです。 Aさんのほた場 私はよその「ほた場」を見たことがなかったのですが、他のほた場を見た人いわく、すごっくきれいで感動した!とのこと。 Aさんにそのことを尋ねると、「たくさん量をとろうと思えば、もっと間隔を狭めたらいいんだけど、しいたけが気持ちよく過ごせるようにと思ってるから…」と笑って答えられました。 お昼に外でのっぺ汁(熊本の郷土料理です。根菜たっぷり温まります。)をつくり、とれたてのしいたけの炭火焼をいただきました。 子ども達はコマうち以外でも、森をかけまわり、かえるの卵を発見して春を感じたりと大興奮の半日を過ごしたようです。コマうちだけではなく、しいたけの育つ場所で、そこの空気や大地に触れながら体験ができたこと、Aさんの生業である「農」への姿勢を肌で感じたことは大きな収穫でした。 そして今年も、みんなのぴかぴかの笑顔のために、人と人をつなぐお手伝いができたらこの上ない幸せです~
2009年02月08日