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「甘味と渋味のバランスが絶妙で、複雑味もあり、ふんわり包み込まれるようなふくよかなボディ。豊かで心地よい余韻が長く続きます。大切な人とじっくり楽しみたい1本です。」
本日公開の映画『 おくりびと 』。ワインのテイスティング風にコメントすると、こんな感じでしょうか。
少し前に試写を観てきました。
「納棺師」とは、その名の通りの職業ですが、身内が亡くなっても葬儀屋さんが流れの中で納棺する事のが多いので、あまり意識しない職業だと思います。
主人公を演じる本木雅弘さんが出会った原作本「納棺夫日記」に感銘を受け、映画関係者に紹介したのが始まりだそうで、その役をやる為に、儀式の特訓を受け、所作を完璧にして取り組んだそうなのですが、本当に 能の舞 のように美しい、想いのこもった所作でした。
決して重苦しいばかりの映画ではなく、ユーモアも絶妙なバランスで散りばめられているので、笑いと泣きの感情が繰り返し訪れ、感情が揺さぶられます。
そして観た後には、穏やかでやさしい気持ちでいっぱいになる・・・そんな映画です。
納棺は日本独特の儀式でも、その根底にある想いは、万国共通なのか、先日、 モントリオール国際映画祭でグランプリを受賞
した、というニュースを見ました。
また、 アカデミー賞にも日本代表作品
として
出品される事が決まったそうです。
ひとことで言うなら
『とても静かで温かく、ふくよかな作品』です。
主人公を様々な死に出会わせる事で、その背景にある色々な形の愛情が浮き彫りになっていく・・・そんな温かいものが伝わってくるから、涙が溢れてくるのでしょうね。
人間の死は、どんな人にも平等に用意されている次の場所への旅立ちの場所で、「遺体」は、それまでの体を遺して、旅立つから、遺体なのかしら、と感じました。
人間は動物の命を頂いて生きるということ、そして、命を授かった時から死に向かって生きている、という事を考えさせられ、「死」を扱った作品ではあるけれど、 とても「生」を感じる作品
でもあります。
こんな素敵な脚本を書いてくださった 小山薫堂
さん、ますます好きになっちゃいました♪
試写を観たらそれっきり、という事が多いのですが
“また観たい”
そして “たくさんの人たちに観て欲しい!”
と素直に思える作品でした。
両親にチケットをプレゼントしてみようかな。
「おくりびと」は、小山薫堂さん脚本です。 Mar 3, 2009
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