最近ハリウッド映画がつまらない。製作費にやたら金を使っているが、心を
打つものがない。そこで、 ヨーロッパやアジアの秀作 を、敢えて選んで見る
ようにしています。
そんな中で、ストーリー展開も登場人物への感情移入も、 すとんと腑に落ちた ように
見れた映画に出会いました。2014年タイで制作、日本では2016年5月に公開された、
< すれ違いのダイアリーズ >。
水上分校 という、田舎のフロテイーング小学校に赴任した、 青年教師ソーン と
前任者の女性教師エーン が 日記を通じて、 まだ逢った事もない 相手との
心の交流する姿を、詩情豊かに 描いたもの。
ソーンは生徒4人というその小学校に着任し、前任者の女性教師エーンが残した
日記を見つけます。エーンの日々の想いや孤独感を日記で読むうちに、ソーン
は彼女の存在を身近に感じ、やがて 憧れの感情 へと変化していきます。
都会の大規模な学校の教育方針になじまないエーン。そして結婚を約束した恋人
の裏切りに傷ついた彼女は、1年後ソーンと入れ違いで再びこの学校に赴任。
ソーンは同じように日記を残しており、今度はエーンがソーンの日記を読み始め、
失いかけていた教育への情熱 を取り戻したのでした。
本作品は、タイ・アカデミー賞最多ノミネートや、米アカデミー賞外国語映画賞
タイ代表などの高い評価を受けただけでなく、首都バンコクのみで約100万人を
動員して大ヒット。
何にもまして、話されている言語が違っていても、日本映画を見ているように、
全てが抵抗なく心の中に浸みわたっていくのです 。まるで、< always
三丁目の 夕日 > を鑑賞しているように・・・
弱者を切り捨てるという、現代の日本の世相ではなく、 弱いものに寄り添うやさしさ 。
そして、自然豊かな環境の中で、日々の生活を営む人達。天真爛漫な子供達の笑顔。
全てが、 今の日本人が忘れかけているものを 、この映画に見たからかもしれません。
タイは日本と同じ、 仏教国で米食 。大家族制で目上や年配の人を敬うタイ人の意識は、
日本人のそれとも似ています。また、国民の95%は敬虔な仏教徒で、日本よりも厳しい
上座部仏教の教えを守りながら暮らしています。
初めてタイへ行った時、 学生の姿が日本とあまりに似ている ので、驚いたことがあり
ました。 男子生徒は白のカッターシャツに、黒または紺の長ズボン。女生徒は白の
ブラウスかセーラー服に黒または紺のプリーツスカート。どうしてこうも同じなのか、
その理由まではよく分りませんが。
映画の鑑賞感想を記事としてとりあげたのは、同じアジア人として共有している
価値観や感情 しれませんね。
みなさんにも是非見て戴きたい、映画の一つとなりました。
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