広辞苑
によれば、 自信
( CONFIDENCE
)とは、
自分の能力や価値を確信
すること、自分の正しさを信じて疑わない心。
一方、 自尊心
( PRIDE
)
とは、
自分の尊厳を意識・主張して、他人の干渉を排除しようとする心理・態度
、との意味なのです。
「自信」というのは、何かを達成したり、人に勝ったり、優れた功績を残したり、
そういうところから生まれる 後天的
なもの
。
でも、「自尊心」というのは、
自分の存在には価値があるとか、自分が生きている
ことそのものに意味がある
とか、そういうのを感じる気持ちであって、むしろ
先天的
なものです。
内閣府の2014年版< 子供・若者白書 >
によると、日本の若者の自己肯定感は
低い。日本・韓国・米国・英国・ドイツ・フランス・スウエーデンの13~
29歳を
対象とした 意識調査結果
を比較すると、< 自分に満足している
>との
比率は、日本の若者では半分に届かなかったのに、他の6ケ国は7割を超えて
いました。
< 自分には長所がある
>と思う若者の比率も、日本だけ7割に届かず
最低でした。
これを、日本人の若者が 自信を喪失
していると見るのか、それとも日本人特有の
謙譲の美徳
という、 文化差異
からきているのか、さらに検証の余地は
あります。
海外では、自己を主張すること、自分の存在感をアピールする教育を、受けて
います。そのように育つと、 自信過剰気味 の人間が大量生産されますね。
小学校で先生が質問すると、日本では自信のある子でも手を挙げませんが、海外
ではみんなが、ハイ・ハイと手を挙げて、自己主張するそうです。ところが、先生
が指すと誤回答や回答出来ない子が多いと。
子供白書の結果前者は自尊心、後者は自信だと思うのですが、 朝日新聞
が独自に
読者あて< 自分に自信がありますか?
>とアンケートとった結果、 いいえが
57%
・
はいが 43%。
何に自信がないか?との質問に対し、
第一位 体力や運動能力
第二位 容姿
第三位 知識や頭脳
第四位 健康
第五位 生活力や経済力
回答を寄せた読者の 平均年齢が約60歳
ということで、 加齢による衰えに対する
不安 が、上位を占めたのもうなづけます。
自分に自信があると答えた43%の人に、なぜ自信を持てるかを聞いたところ、
第一位 努力している
第二位 身のほどを知っている
第三位 続けている
第四位 人と比べない
第五位 いろいろ挑戦している
と、どうもトンチンカンな答えがあるようですね。
自分の存在には価値があるっていう感覚、自分は生きていることそのものに意味が
あるという 自尊心
があれば、いたずらに何かを達成することや、人より優位に
立つこと、人からの評価なんかを気にしすぎることなく、自分にとってのベストを
尽くすということができそうです。
自尊心という言葉で思い出すのは、 ジェーン・オースティン
の小説
< 高慢と偏見
>
( Pride and Prejudice
)。この作品は『高慢と偏見』『自負
と偏見』等の訳題で
親しまれています。
17~18世紀のイギリスの片田舎を舞台と
して、
女性の結婚事情と、
誤解と
偏見
から起こる恋のすれ違いを描いた恋愛小説。
これが皇子の 大学教養課程、英語の授業
の教材でした。志望大学に入れ希望に
燃えて臨んだ
その授業は、原文の小説を単に訳すだけ。生徒に読ませ・訳させ
そして年老いた教授が
十年一日のごとく、其の訳を正します。
その授業方法は、中高で受けていたものと変わらず、なんの新鮮味もありません
でした。大学の授業であれば、その小説が生まれた時代背景や、またその深層
心理についてデイスカッションなどすべきと思うのです。2~3回出席し授業に
嫌気がさしたわては、
代返と友情による試験援助
で単位を取得した、
想い出が
あります。
本作品は幾度となく映画化されていますが、一番新しいのが 2005年公開
の、 主演は
キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン
。
ナイトレイはこの映画で第78回
アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされました。
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