押入れを整理していたら、7月に亡くなったブロ友 にととらさん
から
戴いた、DVDと著作本がでてきました。
アメリカに憧れ、なんと 30数回訪れた集大成として、 1995年に出版された
紀行文
。
663ページの長編ですが、これからアメリカをドライブ
旅行しようと
考えている人、
そしてその経験がある人、またアメリカという国を
こよなく
愛する人にとっては、
興味尽きない内容です。
驚かされたのは、彼の 行動力
と飽くなき 探求心
。
あの グランド・キャニオン
絶壁のトレイル
( 往復 22キロ )を下り、
コロラド川を
見てまた登ったという、日帰り往復 10時間のトレッキング。
そして、 ソルト・レイク
塩の平原
に作られた、スピードコースに挑戦。
63歳でニュージーランドから、このスピードレースに参加した実話に基づく
映画、
< 世界最速のインデアン
>の アンソニーホプキンズに、
にととらさんの姿が
ダブリましたがな。
そして、 ルート 66 で想いだされるのが、 ジョン・スタインベック の名作、
< 怒りの葡萄
>でした。
1930年代、オクラホマ州をはじめアメリカ中西部で深刻化した ダストボウル
( 土地の荒廃による砂嵐 )により、所有地が耕作不可能となって流民となる
農民が続出。
主人公の トム・ジョード
および家族も、生活に窮したオクラホマ州東部の町
サリソー
を引き払い、 ルート66
で
カリ
フォルニアを目指し ます。
テキサス州、ニューメキシコ、アリゾナ各州を通ってカリフォルニア州に入り、
最終目的地 ベーカーズフィールド に向かったのでした。
しかし当時のカリフォルニアには、同様な多くのオクラホマ農民が流れついて
いました。その為労働力過剰に陥っており、ジョード家の希望は無惨に打ち
砕かれます。
移住者たちは「 オーキー
」( Okie
。“オクラホマ野郎”
の意味
)と呼ばれ
蔑まれながら、
農園主の言い値の低賃金で、日雇い労働をするほかなかった
そうです。
このジョード家が辿った 国道 66号線
( U.S. Route 66 )
は、中東部
イリノイ州
シカゴと西部 カリフォルニア州サンタモニカ
を結んでいた、全長
3,755キロの 旧国道。
高速道路の発達によってその役目を終え、1985年に廃線となりました。
にととらさんは 66歳 を記念 して 、この懐かしの旧道を走ったわけでした。
怒りの葡萄は 1940年、 ヘンリー・フォンダ が 主演で映画化されました。
同年の第13回アカデミー賞で ジョン・フォードが監督賞
、
ジェーン・ダー
ウエが
助演女優賞
を受賞。
しかし、底辺の民衆を搾取するところで成り立つという、 資本主義
の
闇の世界
を
色濃く
描いており、
救われる
ところが何ひとつないという、
なんとも暗い映画です。
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