のらりんくらりん

のらりんくらりん

2025年06月22日
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カテゴリ: 我が家今昔物語
私の身近にはどういう巡り合わせか因縁か
自分の子供と血の繋がりを持たない三人の母親 ​​ がいた。

思うがままに愛情を注いでいても、日々の営みに心通わせながらも、
思う様に行かないそんな時、心の奥底に潜ませていたものが
思わず口をついて出てしまう。

​​その母親達は ​内に秘めた血の繋がりへの蟠り​ を​​
一生にしたらのほんの僅かな時ではあるが、私の前で吐露していた・・・・





​イチゴ【花言葉】幸せな家庭​

私の父方の ​​伯母​​
子供が授からなかった為に
伯父の従弟にあたる男の子を養子に迎えた。

生前、伯母がひと言だけ漏らした言葉が耳に残っている。

「自分の産んだ子供なら叱ることもできただろうけれどね、
​ 姑 (養子には実の叔母) のいる前で、叱れなかった」​

姑と夫の血縁であっても血の繋がりの無い伯母には
気兼ねしてしまうものがあったのだろうか・・・
伯母の夫は養子の名前を呼び捨てだったが、
伯母はニックネームで「ちゃん付け」だった。


仲の良い家族で、私と妹が遊びに行くと
よくドライブや趣味の釣りなどに連れて行ってくれた。
数いた親戚の中で一番マメに訪問してくれたのは伯母だった。
将来出来ることなら 私か妹どちらかでも ​養子の嫁​
来てくれたらと秘かに思っていたフシもあるし、
父の口からそんな話があることを聞いた記憶も薄っすらある。
もしそうできてたら・・・思うことはたまにある。


ハーデンベルギア【花言葉】出会えてよかった


​姑から聞かされた昭和三十年代頃の話・・・​
若かりし頃の姑が嫁いだ先には
自分の夫(次男)を含め6人の兄弟姉妹がいて

その中の長女は先天性の異常で膣が無く、嫁ぐこともできない。
義理の姉となった姑は、 気の毒に思い
当時自身に財力もあったこともあり、
長女を大学病院に連れて行き、膣形成の手術を受けさせた。
おかげで会社経営する男性と縁があり、
結婚はできたのだけれど、
当然のことだったのか
子供に恵まれることは無かった。

そこで姑は、義理の妹夫婦に幼い男の子を養子に迎えさせた・・・

時折、その義理の妹夫婦の会社で資金繰りが悪化すると

盛大な姉妹喧嘩になることがあった。

「穴なし小町だったのを病院に連れてって、手術させて
 結婚できたのは誰のおかげだと思ってるの?!」

「子供ができなかったあの人に

 養子の世話までしてあげたのは私なのに!!」

激高した時、姑の義理の妹へ言葉が出ると
売り言葉に買い言葉の応酬が始まる。

「お義姉さんは、私達家族がどうなってもいいと思ってるんでしょ!
 ●●(養子の名前)を連れてきた責任だってあるでしょう!!」

巻き込まれているとしか見えない双方の夫は口出しできない立場だ。
(日頃から嫁の尻に敷かれている双方の夫)


引っ張り出される息子●●も気の毒になる。
過去の出来事を盾にするにしても、息子まで盾にするつもりは無かった
・・・とは思いたかった。

私の夫の父親の妹・・・叔母に当たるので
・・・ 私には ​​ 義理の叔母


​ネリネ【花言葉】
​幸せな思い出 ​​

この歳になって ​姑​ の気持ちを思えば
一人息子と駆け落ちした挙句に、ふたりで勝手に籍まで入れて
子供まで身籠った女を嫁として家に迎えるのは
相当な心持であったろうと
自分の冒したこと故に後悔も同情も山程ある。

​「嫁に来て欲しくなかったタイプの女を息子が勝手に嫁にしてしまった」​
ので、姑は ​「息子の嫁らしく教育したかった」
のに、私は ​「根本的に出来が良くない女」​ だった
ので、「 思う様にならない姑が年中キレていた・・・」
と、いうのが私が嫁いでの数年間であった。

結婚早々、夫の両親とホボ同居だったのも災いである。
私には苦痛の日々、忍耐の日々だった。
姑にとってもそうであったに違いない。
別居すればいい話なのに、あえて近くにいたがるのは
最愛の息子はむろん、生まれたばかりの孫がいた為であろう。
家族経営の会社があったのも今思えば「諸悪の根源」だったのかもしれない。

当時私は二十歳ソコソコの田舎育ちの世間知らず
家事も気働きもできない、不器用女だった。
自覚はあったから、自己嫌悪にもなる。
姑からのDVもあって、饒舌で思い込みの激しい姑からの言葉の責苦、
朝昼晩お構いなしの時間をかけての罵詈雑言、
出来の悪い自分の為に、実家の両親までが悪態つかれるのも悲しかった。
挙句に

​​​​ 「子供を育てる資格なんてあんたには無い!!」

「あんたじゃなくても代りになってくれる母親はいる」 ​​​​


なんて子育てまで否定され続けたら
「私なんていたら子供の為に良くないんだ」
そう、思ってしまっていた。

『女は三界に家無し』
姑は私に言った。
20歳で家出した時にもう実家には帰れない
親の死に目にも会えないと覚悟していたし、だから耐えた。
二人の息子を妊娠中だって、姑流の理由を付けて里帰りを我慢させられた。
実家の親に縋る(すがる)のだけはダメだと自分に言い聞かせつつ、
姑と一緒に居ることに心休まらず、ある時我慢の限界が来た。

姑とのいざこざが原因で
群馬の実家に帰ったのは結婚して六年の間に三度
二度目までは夫の迎えで私が頭を下げることで戻ったけれど
さすがに三度目は頑なだった。

姑と一緒にいるのが嫌で嫌で、結婚した相手は姑じゃないのに
夫との離婚も考え、離婚届もサインして置いて出た。
(後々分かった話だが、夫はこの頃浮気の真っ最中だった。
 この時離婚しとけば別の苦労は無かったろうと思ったり・・・)
当初実家とは反対方向の電車に乗った時、
自死まで考えていた・・・本当に苦しかったから。
でも自分はこの世から離れて楽になっても
これから先の子供の心情を考えたら
「子供の為に自殺だけはしてはいけない」
そう思い直し、自分の親に縋る(すがる)ことを選んだ。

夫が迎えに来ても帰るのを拒否すると、
数日して姑が直々に実家に来た。
(2度目までは夫に説得され、姑に頭を下げ戻っていた)
そして泣きながら訴えてきた。

「子供達から母親であるあなたを引き離してはダメなの。
 私はそんな悲しい母親を二人もつくっちゃいけないの」

最初は何を言ってるのか理解できなかった。
散々、私が子供の母親でいることを責め立てていた本人が
言う台詞とは思えなかった。

「この話は墓場までもっていくつもりだったけど
 あなたに戻って来て欲しいから言うの。
 私の息子の●●は私が産んだ子供じゃないの!!」

●●は ​姑の 実の子供ではなく養子 だ​ という。
(戸籍上は実子となっていたし、よく似た容姿でそんな疑いすら起きず
 夫も私が離婚騒ぎを起こさなければ知らなかった)


「実母から、育てたくても育てることができない●●を託された以上
 彼女に代わって母親になった以上、どんな辛いことがあっても
 私には死ぬ自由は無いと思って生きてきた」
(姑は若かりし頃、色々あって舅との離婚と再婚を経験している)

「●●にもこのことは話して、
 私はあなた達と別に暮らすからあなたは戻って来て」
 (結局・・・姑は嘘つきで、亡くなる寸前まで別居もせず
 肝心の夫にも出生の詳細は話すことなく交通事故で他界した)



私が起こした家出騒ぎで姑に
夫●●の出生の秘密を告白することを決意させてしまった。

そんな大事な話を肝心の夫より前にされ、
私は離婚することを断念したのと同時に

​​ 「息子達を姑らに委ねてはいけない」 ​​
と、思った
​「親子関係に血の繋がりは関係無い」​
俗に言うし、確かにそうなのかもしれない。
深い愛情、通い合う心は血の繋がりにも勝るのであろう。
そうは思っていても
​いざとなったら
​血の繋がりを自ら断ってはいけない​
と思ったのはこの時だった。​


      ​
ブーゲンビレア【花言葉】秘められた思い

産んだというだけで にはなれたけれど
私は ​親​ にはなれていたのだろうか?
この歳になって今更、まだまだ、もっと、なんて思うことが多い。

私はできそこないの母親で、
姑が言った様に、本当に子育できない女だったのかもしれない。
(そうは言っても満足の行く子育てなんて 確信もってできるものじゃない)

子供達に巣立ちの準備どころか、させ方さえ分からないまま。
子供の足を引っ張るだけの親だった頃が疎ましい。
父親が父親の役目を成していなかった分、
私ができる限りのことをするべきだった。

血の繋がりは妥協や甘えになり、ともすれば
私物の様に我が子を扱うことになり兼ねない。
私は自分自身、子供に甘えさせて貰っていた感さえある。
挙句、今更ながら我が息子に親とはどうあるものか
教えられ、考えさせられている場面もあったりする。
親を忠実に評価できるのは子供なんだろうなぁ・・・
(​ 『親の子育て通信簿』 ​なんてのを見つけた)

おそらくこのまま行けば我が息子らは結婚もせず、
親としての本当の喜びや大変さは実感できないまま、
いつまでも私の子供のままで居続けることになってしまう。
(嫁を貰って欲しい、孫の顔が見たいなんて私は更々思っていない)

それは親の不出来が一因なのかもしれない。

ただ、親として私が今言い切るのは、
「自分の人生は自分の為に使った方が良い。」

最近の長男が言い切るのは
「残りの人生、結婚相手や子供の為の
 ATMにはなる気は無い。
 自分のやりたいことをやる!」
(長男も私も異性には苦労をかけられたので思うことでもある)





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最終更新日  2025年06月25日 11時18分08秒


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