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えー、アクセス数がおかしなことになっちょりまする。グーグルさんによる楽天の排除(たろむさん推測)期間中は、1日800ヒットぐらいあったアクセスがガタッと落ちて500台になり、最近になって解除されたのか、徐々に回復しつつ600から700ぐらいになっていました。それが昨日、理由が全く不明(解析不可能な楽天だから)で1000近くまでヒットがありました。うーむ。ライカとかツァイスの話題じゃないのになぜだろう?
ということで、験を担いでフラッシュバルブ的話題を行ってみよう(笑)
もはやフラッシュバルブな話をしたところで、最後の生産者であった東芝さんの倉庫にあるかないかみたいな在庫状況だと思われるので、たんなる年寄りのおもひで話に近いのですが、まいっか。
昭和初期から中期にかけてが報道系で使用全盛期でしょう。まだ小型ストロボが無かった時代に、光が少ない場所でも撮影できる技術ということで、マグネシウム粉を使ったり、マグネシウムフェラメント入り電球状閃光機具を使いました。それがフラッシュバルブ。昨日いただいた39'ersさんのコメントの通り、近年の一般的用途としては、プリントゴッコの版作りに使っていましたね。
フラッシュバルブは大きく2種類がありました。白黒フィルム用の「クリアー」と呼ばれる透明バルブと、「ブルー」と呼ばれるカラーフィルム用がありました。マグネシウム閃光は基本的に色温度が高いのですが若干黄色が混じるので、クリアーでカラーを撮ると発色が悪くなったのです。ブルーの方は色温度調整にその名の通り薄いブルーフィルターが被さっている状態なので、フィルターファクターがかかって若干出力が落ちました。まぁ、白黒全盛期のモバイル光源ですから、圧倒的にクリアーを使う方が多かったはずです。
ググっていただければ、形状の写真とか見つかると思います。念のためここで完結させようと文章化するならば、裸電球の中に綿のようなマグネシウムの線がつまっている状態です。電球っぽい形ですが、外装はプラスチックで内側がガラスです。
マグネシウムが燃える様は、恐らく中学生の理科で「燃える金属」というような項目で実験されていると思いますので、なぜマグネシウムかは割愛。
フラッシュバルブの利点は、閃光時間が長いこと、簡単な電源で発光できること、増設が簡単であること、などにあると思います。閃光時間が長いということは、1/10000秒発光のストロボに比べて、時間軸で光エネルギーをフィルムへ導くことが可能なので、「フラッシュバルブは強力」というところへ行きます。またどれぐらい簡単な電源で発光できるかと言えば、単1電池が1個2個ぐらいでオッケー。ま、単1電池ってところが時代でしょ。増設というのは、フラッシュバルブを同時に複数個使ってより強力な光を得ようとすることです。電球のソケットと2芯電線があれば、直列でも並列でも並べて高出力を得ることができます。この部分は後述します。
フラッシュバルブの欠点は、1回ポッキリ使用であること、マグネシウムが燃えるエネルギーなので使用後は高熱であること、でしょう。そして欠点まで行きませんが、閃光時間が長いので高速の動きを止めるためには使えませんし、シンクロの接点設定やシャッタースピードを間違えると閃光能力を取り込めない可能性があります。フラッシュバルブを使うときは、シンクロをM接点かFP接点(バルブの種類による)をつかいます。今はX接点がシンクロしかありませんので、その場合は1/15秒程度の長めのシャッタースピードを使わないとダメです。
そうそう。子どもの頃、父の「お手伝い」と称して仕事現場に付いていったとき「触ったら熱いよ」と言われたのに、発光直後のフラッシュバルブを触って指紋をなくす程度のやけどをしたことがありますねぇ。てへっ。
さて、僕自身が最後にフラッシュバルブを使った撮影の話で締めたいと思います。
最後に使ったのは、建築写真撮影でした。それもどでかい神社仏閣の撮影ね。
先の通りストロボの一瞬的な閃光とは違い、闇をじっくりと照らすような、日中でも太陽光に負けない突き進むような光を放つのがフラッシュバルブです。この特徴を使いました。
4x5のカメラをセットして神社仏閣を快晴な日中に露出を合わせて撮影しようとすると、屋根の下は壊滅的に真っ黒になってしまいます。そこで、フラッシュバルブを使った日中シンクロをしました。神社仏閣の軒下方向に向けて、電球ソケット20個を電線で直列に繋いだ機具を製作してフレーム外にセットして、20個のフラッシュバルブを取り付けて、シャッタースピードを1/8秒ぐらいにしてカシャっと切ると、
「プォォォン!」>ポンが複数音こだまして聞こえる感じ
って、直射日光が軒下に作る影に向かって、フラッシュバルブ強烈なエネルギー閃光がディテールを明るく照らしてくれました。
露出は、一応フラッシュバルブエネルギーをガイドナンバーから計算しましたが、ボラを切ったらそれだけで20個パァなので、ほぼ勘ってとこ(笑)。フィルムは1個所につき2枚切って、つまり40個使用して、現像でもトーンを調整しました。
想像していた以上にできがよいフィルムに仕上がって、クライアントさんは大喜びでしたね。なにしろ過去はシャドーディテールが写っている写真なんて見たこと無かったようですから、 人間が見ているような状況に近い写真
に感動していただきました。
非常にアナログチックな機材でしたね。
約60倍面積のフィルム 2011.02.01 コメント(5)
感動をすること 2011.01.28