お天気研究室

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気象や天気のキーワードや用語を「あいうえお」順でまとめました。
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■大寒(だいかん)
1月20日ごろ。1年でもっとも寒い頃という意味です。

■大気圏(たいきけん)
地球の大気が存在する範囲のことです。一般に気温の変化にもとづいて4つの層に分けられています。下層から順に対流圏、成層圏、中間圏、熱圏です。これを大気の鉛直分布(鉛直構造)といいます。
熱圏 ・・・約80km~大気の上限(300~600km)。高度と共に気温上昇。
中間圏・・・約50~80km。高度と共に気温低下。
成層圏・・・約11~50km。約20kmまでは気温一定、それより上空は気温上昇。
対流圏・・・地表~約11km。高度と共に気温低下。
予報士試験では、対流圏と成層圏についての出題が特に多くなっています。成層圏には、高度およそ20~30kmにオゾン層があります。対流圏では、雲の生成など目に見える天気の変化が観察できます。

■大暑(たいしょ)
二十四節気のひとつ。7月22日頃。一年で最も暑い頃という意味です。

■台風(たいふう)
北西太平洋の熱帯低気圧のうち、域内の風力の最大が17.2m/s以上のもの。

■台風の上陸数(たいふうのじょうりくすう)
2004年の台風上陸数は、過去最多になっています。気象庁は、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「日本に上陸した台風」としています。ただし、小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合は「通過」としています。
  上陸数が多い年
    2004年・・・10個
    1993年,1990年・・・6個
    1989年,1966年,1965年,1962年,1954年・・・5個

■台風の大きさ・強さ(たいふうのおおきさ・つよさ)
台風は、北西太平洋に現われた熱帯低気圧のうち、最大風速がおよそ毎秒17m(34ノット)以上のものと定義されています。 その勢力を示す目安として、台風の「大きさ」と「強さ」が示されます。勢力は変化しますので、台風の呼び方も変化していきます。「大きさ」は「強風域(平均風速15m/s以上の強い風が吹いている範囲)」の半径で、「強さ」は「最大風速」で区分しています。大きければ、暴風や強風の吹く時間が長くなり、強ければ、最大風速が大きくなります。
   大きさの階級分け (風速15m/s以上の半径)
     大型(大きい)・・・・・・ 500km以上
     超大型(非常に大きい)・・ 800km以上
   強さの階級分け (最大風速)
     強い ・・・・・33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
     非常に強い ・・44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
     猛烈な ・・・・54m/s(105ノット)以上

■台風の名前(たいふうのなまえ)
気象庁では年ごとに台風の発生順に番号を付けています。また、北西太平洋領域に発生する台風の呼名として、2000年からアジア名を付けています。これは北西太平洋領域で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国が加盟)があらかじめ用意した140個の名前を発生順に付けていくものです。2000年の台風1号はカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」で、2005年台風14号は137番目で、韓国で「蝶(ちょう)」を意味する「ナービー」と名づけられています。15号は138番目の「カーヌン」(タイで果物の名前、パラミツ)が使用されています。 >> 台風の番号と名前(気象庁HP)

■台風の発生(たいふうのはっせい)
熱帯海洋上では、太陽エネルギーが海面を温め大量の水蒸気を発生させています。この水蒸気により積乱雲が発生し、積乱雲がコリオリの力によって、まとまりをもった集団として組織化されることにより、熱帯低気圧が発生します。この熱帯低気圧が、発達することで台風となります。熱帯低気圧は、海面水温が26~27℃以上で、下層の大規模な気流が集まる地域でよく発生します。西太平洋には海面水温の高い海域が拡がっているので、熱帯低気圧の発生頻度が高くなっています。 なお、赤道付近(南北緯度5度)では、コリオリの力が弱いため、海面水温が高いにもかかわらず、熱帯低気圧はめったに発生しません。

■台風の目(たいふうのめ)
発達した台風の中心部の雲のほとんどない部分のことです。多くが円形で、その直径は20~100kmくらいです。目の周囲には、密集した積乱雲群からなる目の壁(アイウォール)があります。目の壁は、海面付近から高さ12km以上に達し、風雨が激しくなっています。台風の目がしっかり、くっきりしているほど発達し勢力が強い台風です。逆に、目の形が崩れてくると、衰えてきていると判断できます。

■太平洋高気圧(たいへいようこうきあつ)
小笠原高気圧ともいいます。ハワイ付近に中心を持つ北太平洋高気圧のうち、西の部分が日本付近に張り出してきたものをいいます。日本の本州上空を覆ったときには、蒸し暑い晴れの天気が続きます。太平洋高気圧の勢力は、梅雨前線の位置や台風の進路に影響を与えます。太平洋高気圧の勢力が強くなると、梅雨前線は北に移動し、梅雨明けをむかえます。台風は太平洋高気圧の西側のへりを進むことが知られています。

■高潮(たかしお)
台風や強い低気圧に伴って海水面が上昇する現象のことをいいます。沿岸地域では、重大な災害を起こすこともあります。

■高潮の原因(たかしおのげんいん)
1.吹き寄せ風の効果
強い風が海から陸地に向かって吹くと、海水が岸に吹き寄せられて海面が上昇します。湾になっている場所や湾の奥が狭くなっているところでは、顕著です。
2.気圧の低下
気圧(大気圧)は、海面にかかる圧力でもあります。地面では感じませんが流動性のある海水では、気圧が低くなれば海面が上昇します。気圧が1hPa(ヘクトパスカル)低下すると海面は約1cm上昇します。1気圧=1013hPaですか ら、950hPaの台風が近づけば、それだけで海面が約60cm上昇します。
3.満潮
潮の干満は、高潮の直接的な原因ではありません。しかし、満潮時には海面が上昇しますので、重大な災害を起こす可能性があります。
台風の風は反時計回りに吹いていますので、台風の東側は強い南風です。南側に海がある湾の西側を台風の中心が通るときは、高潮に注意が必要です。強い南風が吹き寄せ風になりますし、台風による気圧低下もあります。さらに満潮の時間帯であれば、さらなる警戒が必要です。また、台風の場合、高波や暴風雨も伴いますので、被害が拡大する恐れもあります。


■地球温暖化(ちきゅうおんだんか)
地球規模環境問題の一つで、地球の平均気温が上昇する現象のことです。これにより気候の大変動が起こる恐れがあります。気候は、自然的要因によって数億年から数年の時間スケールで寒暖を繰り返してきましたが、18世紀 の産業革命以降に人為的要因によって温暖化しています。人為的要因とは、化石燃料の消費や森林破壊などに伴う、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素など)の増加があげられます。大気中の二酸化炭素の濃度は、産業革命以 前は約280ppm(約0.028%)でしたが、現在では約370ppm(約0.037%)と報告されており、2050年には現在の2倍になるのではないかといわれています。

■注意報(ちゅういほう)
気象現象に関連して、災害の発生するおそれがあるときに、気象庁から発表されます。発表の基準は、地域によって異なります。
大雨注意報・・・大雨によって災害が予想される場合に行う。
洪水注意報・・・大雨、長雨、融雪などの現象により河川の水が増し、災害が起こると予想される場合に行う。
大雪注意報・・・大雪によって災害が予想される場合に行う。
強風注意報・・・平均風速がおおむね毎秒10メートルを超え、主として強風による被害が予想される場合に行う。
風雪注意報・・・平均風速がおおむね毎秒10メートルを超え、雪を伴い、被害が予想される場合に行う。
波浪注意報・・・風浪、うねりなどによって災害が起こるおそれがあると予想される場合に行う。
高潮注意報・・・台風等による海面の異常上昇により災害の起こるおそれがあると予想される場合に行う。
濃霧注意報・・・濃霧のため、交通機関等に著しい支障を及ぼすおそれのある場合に行う。
雷注意報 ・・・落雷により被害が予想される場合に行う。
乾燥注意報・・・空気が乾燥し、火災の危険が大きいと予想される場合に行う。
なだれ注意報・・なだれが発生して被害があると予想される場合に行う。
着氷注意報・・・着氷が著しく、通信線や送電線等に被害が起こると予想される場合に行う。
着雪注意報・・・着雪が著しく、通信線や送電線等に被害が起こると予想される場合に行う。
融雪注意報・・・融雪によって、災害の起こるおそれがある場合に行う。
霜注意報 ・・・早霜、晩霜等により農作物に著しい被害が予想される場合に行う。
低温注意報・・・低温のため農作物等に著しい被害が予想される場合に行う。
大雨、洪水、大雪、強風、風雪、波浪、高潮の7つの注意報は、重大な災害が予想されると大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮の各警報にかわります。

■中規模現象(ちゅうきぼげんしょう)
気象の分野では、水平スケールが約2km~2000km程度の現象を中規模現象(メソスケールの現象)と呼んでいます。例えば梅雨前線上の低気圧や積乱雲、台風などです。 温帯低気圧や移動性高気圧など大規模(マクロスケール)の気象現象では、水平スケールが大きいため、鉛直スケールはあまり考慮しません。しかし、中規模では、鉛直温度傾度に起因する有効位置エネルギーを考慮する必要があります。


■梅雨入り(つゆいり)
暦の上では太陽が黄経80度を通る日が「入梅」です。天気図で見ると、日本の南岸に梅雨前線が停滞し始めるときです。今日から「梅雨」という明確な区切りはなく、通常5日くらいの季節的な移り変わりの時期があります。気象庁の発表は「○○地方は×月×日頃、梅雨入りしたをみられる」という、あいまいなものになっています。

■梅雨とジェット気流(つゆとじぇっときりゅう)
北半球上空(約5000m)には、強い西風(ジェット気流・偏西風)が吹いています。このジェット気流は、夏が近づくと北上し、チベット高原にぶつかり、北コースと南コースに分かれ、日本の東海上で合流します。北コースの風は、南北に大きく蛇行して冷たいオホーツク海でブロッキング高気圧を形成します。南コースの風は、インド洋から暖かく湿った空気を大量に日本に運びます。一方、日本の南では、暖かい太平洋高気圧が勢力を強めてきます。オホーツク海高気圧と太平洋高気圧がぶつかった日本付近には梅雨前線ができます。二つの高気圧の勢力はつりあっており、前線は停滞します。日本付近(特に西日本)が大雨になるのは、南コースのジェット気流によって、運ばれてくる湿った空気が、前線で雨になるからです。夏に向かうにつれて、チベット高原では大気が熱せられ、高気圧ができます。これに伴い、ジェット気流は北コースのみとなり、オホーツク海高気圧は消滅、日本付近は太平洋高気圧に覆われます。また、南からの暖かく湿った空気の供給もなくなり、梅雨明けとなります。


■天気予報の種類(てんきよほうのしゅるい)
天気予報には、様々な種類の予報があります。知りたい情報にあわせて、使い分けると便利です。
・あさってまでの天気予報…あさってまでの天気、風、波浪、最高最低気温、降水確率
・週間天気予報…1週間先までの毎日の天気、降水確率、最高最低気温を1日単位で予報
・分布予報…3時間ごとの天気、降水量、気温などを約20km四方ごとに予報
・時系列予報…代表的地域の3時間ごとの天気、気温、風の移り変わりを予報
・季節予報…1ケ月、3ヶ月といった長い期間の平均的な気候の特徴を予報

■デイ・アフター・トゥモロー
2004年6月5日ロードショーの映画。ローランド・エメリッヒ監督作品。異常気象を題材にした映画です。内容:地球温 暖化が天候全体を不安定にさせ、世界規模の異常気象を引き起こす。東京では死者2000人を出す巨大な雹が降 り、ニューヨークは大津波で水没、ロサンゼルスは竜巻で壊滅した・・・。それにさきがけ5月25日には日本気象予報 士会が主催した気象予報士だけの試写会が行われ、お天気キャスターなどが参加し話題にもなりました。

■天気予報の時間区分(てんきよほうのじかんくぶん)
天気予報でよく聞く時間表現をまとめました。あいまいなようですが、具体的に予報しているんですよ。
昼過ぎ ・・・正午から3時間ぐらい
夕方  ・・・午後3時頃~日没頃
宵のうち・・・日没頃~午後9時頃
夜遅く ・・・午後9時頃~午前0時
夜半過ぎ・・・午前0時~午前2時頃
明け方 ・・・午前3時頃~日の出頃
朝のうち・・・夜明け~午前9時頃
昼前  ・・・正午の前3時間ぐらい

■天候デリバティブ
気温、降水量、風速など気象変動の条件を取引対象とした金融商品です。損害保険会社が扱っています。 冷夏で売り上げの減る飲料メーカーや猛暑で客足の落ちるラーメン屋など、気象変動に伴う収入減リスクを避けたい企業などが利用しています。通常の損害保険は損失が出ないと保障されないのに対し、天候デリバティブは損失がなくても実際の気候が一定の条件を満たせば保障対象になります。推計の契約金額は数百億円ですが、今後急速に拡大の見込みがあります。
  天候デリバィブを利用する業種
    猛暑・・・ガス会社(暑すぎると需要が落ちる)、ゴルフ場、ラーメン屋(客足遠のく)
      冷夏・・・電力会社(エアコンの使用が少なくなる)、家電量販店(エアコン売り上げ減)
    暖冬・・・冬物衣料、鍋材料メーカー(売り上げ減)
    多雨・・・テーマパーク、パチンコ店、温泉(客足遠のく)
    多湿・・・のど飴、衣料品メーカー(売り上げ減)
    強風・・・りんご業者(落果に備える)
    強風、波浪・・・フェリー(欠航)、漁業(欠漁)
    流氷・・・流氷観光船


■等圧線(とうあつせん)
地上天気図でいちばん目立つ線のことです。地図の等高線と同じです。同じ時刻に観測された気圧を海面気圧に計算し、気圧の等しいところを結んでいます。海面気圧に補正するのは、標高による差をなくすためです。普段テレビなどで見るは4hPa(ヘクトパスカル)ごとですが、2hPaごとの天気図もあります。天気図の高気圧や低気圧は、等圧線で表現され、空気のおおまかな流れがわかります。北半球では、低気圧へ反時計回りに風が吹き込み、高気圧から時計回りに風が吹き出します。また等圧線の間隔が狭いところでは、風が強くなっています。

■土用の丑(どようのうし)
旧暦では、立春、立夏、立秋、立冬の前の18~19日間を土用といっていました。しかし、現在では夏の土用だけが使われており、暑中見舞いを出したり、土用の丑の日にウナギを食べたりしています。



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